浅田真央選手が選び、歩んだ道を振り返る時(2) 華麗なる3-3

3-3爆弾を投下して振り返りたいと思います。

浅田選手のこの3F-3Loがすごい


1.シーズン2005/2006 GPシリーズのエリック・ボンパール杯 SP「カルメン」より


素人でもわかる、回転軸の細さよ・・・。きゅっと体を絞めてものすごい速さで回る浅田選手。この大会のFSでサンドラさんという女性解説者がこう話しています。
「サーシャ(コーエン)には成熟した魅力と洗練がある。真央にはそれがないけど、このジャンプの能力は、観る者達にとってはとてもわかりやすいもので、サーシャが持っているものが彼女には備わっていないということすら許されてしまう」
また2年後のシーズン2007/2008になるとこのサンドラさんという女性解説者は真央さんを絶賛するようになるのです。「プログラムがどうしてそのように振りつけられたのかとか、そういうところをちゃんと理解して滑っているのに、現行の採点システムではそれが点数に反映されない」とまで言ってくれているのですよ!(超意訳入ってます。すみません)彼女の成長をちゃんと見て解説してくれているのですね。それから10年以上たった今、浅田選手はサーシャさんの立場にあるわけです。月日の流れ、そして浅田選手の変貌・成長を感じました。


2.シーズン2006/2007 GPシリーズ スケートアメリカ SP「ノクターン」より

かろやかぁ~。この年の全日本選手権で、浅田選手がSPで3-3を飛ぶ直前に、観客席にいた小さなお子さんが叫んだのです。集中力がふっと途切れるかな、と思ったけど、見事に跳んで着氷して見せたんですよ。


3.シーズン2007/2008 全日本選手権 SP「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」より

ポエムこと塩原アナの実況です。あ、どうでもいい?

4.シーズン2008/2009 GPファイナル SP「月光」


お見事!3-3のコンボだけでなく、すべての要素が美しくて、透明感のあるこの曲にぴったり。

異常な熱気に包まれた会場全体がキム・ヨナ選手を応援する、完全アウェイの韓国でこの演技をしてみせた浅田選手。そして優勝。その偉業を成し遂げて帰国した彼女を待っていたのはどことはいわんがフジテレビメディアによる粗探しのような報道。
それぞれのスポンサー数まで取り上げてキム・ヨナを持ち上げる異様な構成で、お祝いムード一切なし。
この約2か月後の四大陸選手権の直前、「モチベーションが上がらない」と浅田選手が苦しんだ理由は、この報道と全く関係なかったといえるでしょうか・・・?
またこのシーズンはプレ・バンクーバー五輪シーズンでした。このメディアは浅田選手の心を折ることに執心していたようですから、その点では大成功でしたね。国の宝がなぜ自国のメディアに潰されなくてはならないのか、私は不思議でなりませんでした。
関連ページ:フジテレビが異常なほど韓流に肩入れする理由 - <日枝久会長が... - Yahoo!知恵袋

と、ここまでが3F-3Loです。
二つ目のジャンプがループですから、フリップを着氷した脚でそのまま飛び上がるわけですよ。ということは、フリップに入る前に助走があってスピードがついていますから、そこから飛び上がって着氷時に浅田選手の膝にかかる負担は、おそらく実際の体重よりもずっと重いのです。
その膝で踏ん張って、さらにそのままループを飛ぶんですよ。途中でこのコンボを入れないシーズンもあったとはいえ、もう10年以上続けているのですから、そりゃ左膝だって悲鳴をあげますよ。故障しないほうがおかしい。

続きまして3F-3T

なんでやめちゃったんだろう・・・3F-3T。しつこいのはわかっていますが、3F-3Loは膝への負担も大きいし、「二つ目のジャンプ(ループ)の方が高かったんじゃないの?」というくらい跳び上がらないと、GOEの加点はおろか、認定すらしてもらえないようなコンボです。男子も女子も二つ目に3ループを持ってくる選手はもうほとんどいませんからね。割に合わないから。
こんなに楽々3F-3Tを跳んでいた浅田選手。平昌シーズンはこちらのコンボでどうでしょうか?

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ユーロスポーツUKの解説者が漏らした本音

なぜうまくいかなかったのだろう。
何かあったのかな。故障かな。

そんな風に、浅田選手の演技がうまくいかなかったら、その理由を探そうとするという行動に慣れてしまったのは、もういつからでしょうか。

「本当は力がある選手なのに、試合になるとその力が出せない」
そんな浅田選手の姿を見ることに慣れてしまったのです。

グランプリシリーズ仏杯での、浅田選手のSPの演技に対するEurosport UKの解説者のコメントが、聞いていて悲しくもなり、また認めざるをえない内容でもありました。

それは今回のこの演技に対してというよりも、昨今の浅田選手の演技につきまとう空気感そのもので、やはり日本の放送で解説者達が大人の事情で言えないことを言えるのは、海外の解説者だけだなぁと思いました。

浅田選手のモチベーション、目標は何?

(どう言ってよいのやら・・・と迷った末に、力なく笑い)僕が気になって仕方がないのは、何が彼女(浅田選手)をリンクに戻ってこさせているのかということだ。
★ ★ ★

彼女が戻ってきたということに感謝しているし、彼女の演技を見ることは大好きだ。見続けていたい美しきものだよ。
ただ僕は、この競技を続けていくために要求されるものを彼女が耐えていこうと思えるだけのモチベーションが何なのか、興味があるんだ。
おそらく浅田選手は賢いから、もはや(・・・・・この部分は聞き取れません)のような人達と競い合うだけの力がないことは自分でわかっているはず。
(中略)
この競技の伝説のような存在が、伸び悩む得点を出し続けているということが悲しい。

(以上、ユーロスポーツの男性解説者の一人)


フリーのように崩れることなく、目立ったミスのなかったSPの演技後にふと解説者の一人が漏らした内容です。
私もこの本音トークには共感しました。浅田選手ほどのキャリアがあれば、プレ五輪シーズンで今の状態(3-3をはじめとする得点源を持っていない)だったら、平昌五輪で表彰台に乗るのは難しいことくらい、周りに言われなくてもわかっているでしょう。
現役続行を決意したのですから、やっぱり浅田選手は勝ちたくて戻ってきたのです。まだ手に入れたことのないタイトル=五輪の金メダル、あきらめきれなかったんじゃないかな。「スケートが好き」だけなら現役を引退してプロとして滑る道もあるのですから。
だけどいざ戻ってきてみたら、トップレベルで戦っていくことが難しいと、心と体で感じてしまっている。タイトル奪取への望みが薄くなりつつある今、浅田選手のモチベーションは何?と解説者達が考えるのも不思議はありません。
解説者達が称賛している浅田選手の成熟した魅力、スケーティングの美しさでは、3-3やFS後半にルッツを毎回確実に構成に入れてくる若手達との開きを埋めきれないのです。なぜならそれらはジャンプが決まってこそ活きてくるプラスαであり、得点源にはなりえない。
まだ手に入れたことのない唯一のタイトルを手に入れるどころか、「日本代表に選ばれるかどうかもあやしい」(ユーロスポーツUKのサイモンさん)。サイモンさんがこう続けました。

何が悲しいかっていうと、(浅田選手の)得点がこのくらいでも、もう僕らは驚かなくなってしまったということだ。


「こんなはずじゃないのに」
そんな風に精彩がない浅田選手を見ることに慣れてしまったことは、ファンとしても悲しいです。満身創痍で戦って、このような結果が続く。
時計の針を戻すことができたら、昔は軽々飛んでいた二つ目のジャンプに3Tを持ってくる2連続3回転の練習を始められたのに。だけどもう時計の針は戻せません。
平昌五輪までのあと1年と約3か月の間に、浅田選手が翼を取り戻せますように。そして自分の強さを信じられる浅田真央選手が戻ってきますように。

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心と脳の休日

「尊敬する人は誰ですか?」と聞かれたら、迷わずに「焼きそばの湯切口を思いついた人と、この形状にたどり着くまでに繰り返された試行錯誤に関わった方々です」と答えます。

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そんな便利な湯切口ができたおかげで、焼きそばを勢い余ってシンクにどさっと落としてしまう被害者が日本から消えたのです。それともまだいるの?
こうやってさっさっとお湯を切って、ソースとふりかけをかけて混ぜ合わせていただきまーす!
そこへこんな声が聞こえてきたら、あなたはどう思いますか?

「焼きそばがもっと美味しくなる方法があるの。少量のごま油を熱したフライパンに、湯切口からだけじゃ捨てきれなかった水分も含めて焼きそばを入れてさっと炒めるだけ。お好みで少量のラー油も入れてみて」

それじゃもはやカップ焼きそばを買った意味がないじゃないか・・・。
洗い物も出さずに楽をしたいってそんなにいけないことなのか。
毎日きちんと過ごす。それは素晴らしい。だけどきちんと過ごすことにもオフを設けないと、ちょっときつい。

「こうすればもっと美味しくなる」「こうすればもっとよくなる」というささやかな工夫から解放される日があってもいいのにな。
人間は色々な穴を弛緩させて垂れ流して生きたら大変なことになってしまうから、心と脳だけは弛緩させたいのに・・・。

余談:ここ数年食べたカップ焼きそばの中で最も美味しいと感じた商品


サッポロ一番 縁日の焼そば カップ 東味 117g×12個
シーフード好きなフィリピン人達が好んで食べているのを見て、私も食べてみました。もっちもちというのは私にとって別にどうでもよいポイントなのですが、ソースの味が魚介類寄りなのがストライクゾーンに入りました(東西ありますが、魚介類寄りはのほうですよ)。
スリーエフでしか見たことがありません。

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 恋多き女 高岡早紀を見て思ったこと 女を武器にすることに何の抵抗もない人


女優は女を武器にしてのしあがった人が多そうですが、高岡早紀さんのネタを「上沼・高田のクギズケ!」で見ていて、中でも高岡早紀さんは男性の生理の単純さやずるさを理解して、その武器を淡々と、軽々と使いこなしてきたイメージを受けました。

カウンター33:50あたりから高岡早紀さんに関するネタが始まります。芸能リポーターの井上公造氏いわく、高岡さんはとにかく距離が近いんですって。
「よろしくお願いします」と言って井上氏の手を握り、その手を自分の胸のあたりまで持って行っちゃうんですよ。その結果が

「舞台のチケットを買うだけでなく、お花も出しましたよ!」(井上氏)

というわけです(笑)。単純だな。

真夜中のバレリーナ[Deluxe Edition] [DVD]

「男なんてこの程度で喜ぶ生き物なのよ」と熟知していて、喜ばせる方法を実践することをためらわない人。女を武器にすることに何の抵抗もないんですよ。同性の友達少ないだろうな。
高岡早紀さんみたいな人は、頭の中は男なのかもね。私のもとに2,3億円舞い込んで高級クラブを開くとしたら、こういう女性をママとして雇いたいです。
だけど高岡さんももう40代。女の秋ですよ。女以外の切り札を持っていないと立ち回るのがつらい年代になってきましたね。

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私の昭和史(3)田舎に暮らす子供にとってのファストフード

もはやこういうプロモーションを見ても胸がときめかない・・・・あまりにもファストフードは身近なものになってしまいました。
先日ど~してもケンタッキーが食べたくなって行ってきました。1年ぶりくらいに食べるチキンフィレサンドの味は・・・「こんな味だったっけ?」というものでした。

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味が変わったとか落ちたとか、そういうのではありません。
私は昭和50年代生まれの田舎育ちです。私が育った街にマクドナルドやケンタッキーというメジャーなファストフード店ができたのが、私が小学校高学年になってからです。それまでは、ファストフードを食べたくても食べる機会がありませんでした。駅前のドムドムが輝いて見えるほど田舎だったのです。
ファストフードのある都会に親と遠出しても「せっかくの外食するのにファストフードなんて食べたくない」と親がいうので、スポンサーである親に従うしかありませんでした。
そして高学年になってケンタッキーやマクドナルドが地元にできた時、ミニバス部の仲間達と一緒にチャリを30分くらい走らせて、ケンタッキーまで行って食べたチキンフィレサンドの味やあの時の感動は忘れられません。
今ではもう食べたい時にすぐに食べられるようになってしまったファストフードに、あの頃の衝撃や感動はもはや持てないのです。

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