マリア様はお見通し

普段は何も見えていないふりをしながら、善人面して静かに暮らしています

私の昭和史(1)携帯電話がなかった頃

 
今の時代に「電話を貸してください」と言って知らない家のドアをたたく人はいませんよね。みんな携帯電話を持っていますから。私の子供時代は「電話を貸してください」がまだ聞かれた時代でした。

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photo by Zengame

私の実家の近所には高校がありました。合格発表の日は、皆、一刻も早く家で待つ 家族に連絡を入れようとして、公衆電話に並ぶのです。
長蛇の列の中で待ちきれなくなった人達は、農道に入って一軒目の我が家に気づき、「電話貸してください」と言ってやってくるのです。

知らない人が次から次へと我が家に入ってくることをなんとも思いませんでした。そういう時代でした。高校の倍率も高かったです。あの頃はまだまだ子供がたくさんいたんだなぁと、改めて思います。


それから祖父がアパートを持っていたのですが、入居者の方から家賃が支払われると、なんと銀行から電話が来るのです

「XX○○様から¥*****のお振込みがありました」っていう電話。今だったら自分でいつでもネットバンキングで確認できますよね。
当時まだ幼かった私は、電話に出ても「振込み」の意味がわからず、ただ振り込んでくれた人の名前(入居者の方の名前)だけは、いつのまにか覚えて「おじいちゃん、XX○○さんからフリコミがあったって」と伝言だけしていました。
定期預金だって、銀行員が毎月決まった日に家まで取りに来たんですよ(笑)。その度に祖母がビール券を渡していたのを、子供の私はこっそり見ていました。

「ばあちゃん、何あれ」

「あの人はね、ああやって毎月来てくれるから、小遣いをあげたいんだけど、貯金以外のお金は受け取れないからね」

ビールの美味さなどまだわかるわけもなかった私は「あんなものもらって銀行員の人は嬉しいのかな」と不思議に思っていました。
今は携帯電話やインターネットで多くの用事が済ませられるようになり、本当に便利な時代になりました。他人とのやり取りを介さなくても、こんなに多くのことが済んでしまうなんて。昭和を振り返ると、すごいなぁと思います。

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