香川照之さんの起こした性的暴行事件に対する擁護のコメントを読んでいて、ホステスという仕事は、男性のストレスや様々な欲求(性的なもの、承認欲求、自尊心を満たしたい・・・など)を排出するための便器なのかと思ってしまいました。
「それがホステスの仕事だろ?」
「遅かれ早かれそういう目には逢っていたと思うよ」
ホステスは客にとって商品だから、不快な行為でも我慢しろということなのでしょうか。例えばそれがブラジャーをはぎ取られて胸を触られるという行為であっても・・・。果たしてそれはホステスのお仕事なのでしょうか?
過去に書いた魅力だけでは銀座のNo.1ホステスにはなれない - マリア様はお見通し
という記事でも少し触れましたが、銀座でも屈指の高級クラブ「ベルベ」のチャコママの言葉に「お給料は我慢代」があります。ですから香川さんの性的暴行事件も、チャコママに言わせればこんな感じなのでしょうか。
(以下、筆者の想像)
「胸を触られてもそのくらい我慢しなさい。日給30,000円保証してあげてるのよ?それにそのゲスな男はあなたが係りなのよ。本当は私だってあなたを守ってあげたいわ。だけど落ち着いて考えてみて。ここで警察を呼んで現行犯で逮捕することもできる。そしたらあなた、糞男がこの店に落としてきていた分を来月からどうやって稼ぐつもり?」
客を選べないって辛い・・・。
香川さんから性的暴行を受けたホステスさんがヘルプだったのか、係りだったのかはわかりませんが、香川さんが太客だったのであればママとしても穏便に済ませて、失いたくなかったことでしょう。だからホステスを守らなかった。銀座の高級クラブとはいえ、今はおそらく経営も厳しいはずです。あるいはただただ「こんなの銀座で働いていれば日常茶飯事よ」ということだったのか。だとしたら銀座も随分下品になってしまったものです。贅を尽くした空間で美女過ごす泡沫の夜のために大金を使ってくれるような客は、もはや銀座にはいないのでしょうか(まだ品格のある紳士のための社交場だった頃の銀座は「おそめ」でしか知らない筆者がえらそうに言うのもなんですけどね)。
自分のお店のホステスさんがお客さんに殴打されても、ホステスさんに我慢させたチャコママの対応にも驚きましたが、「金を払っているのだからホステスにはこのくらいやってもいいだろう」というように、ホステスを虐げることに楽しみを見出す糞客、立場が弱い人(この場合従業員であるホステス)が声を上げられないことをいいことにやりたい放題の客が後を絶たないのでしょう。そんな男達を接客していたら、客の人格と同様にホステスの心まで歪みそうですね。
男性を楽しませることを仕事にするって、決して楽じゃない。仕事ならまだよいけれど・・・。ホステスじゃない一般の女性にすら「女は男を楽しませるべきだろう?」と押し付けてくる男性もいますしね。「男が楽しませてくれたら女も頑張りますよ」と言い返したいです。
話を高級クラブに戻します。銀座でトップに上り詰める女性といえば、おそらく絶世の美女というよりは、ハングリー精神が強い女性でしょう。お金のない惨めさや辛さを体が覚えている人。あるいは今すぐにでも大金が必要な女性。その辛さに比べたら、胸を触られることも引っぱたかれても平気。ドキュメンタリーを見ていてそう思いました。