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マリア様はお見通し

普段は何も見えていないふりをしながら、善人面して静かに暮らしています

浅田真央、トリプルアクセルとともに去りぬ

フィギュアスケート

www.hochi.co.jp

28日までに提出したSPの演技構成表では、冒頭のトリプルアクセルの次に3回転の連続ジャンプを組み込む予定だったが、昨年末の全日本選手権と同じ3回転フリップ―2回転ループの構成に変更。「3回転―3回転でマイナスを取られるより、しっかりとしたエレメンツで臨んだ方が得点も伸びると思う。気持ちも少し楽」と明かした。


現在女子シニアのトップクラスの選手で3-3を持たない選手はいません。なぜなら3-3は大きな得点源だからです。加点がもらえるだけの連続ジャンプが飛べるということですが、この記事を読む限り浅田選手の3-3は、得点源というよりは、仕上がりとしてはマイナスを取られることを考慮しなければいけないほどの状態であるということです。
今回の世界選手権の女子SPでは、上位20選手のうち、3-3ではなく3-2を飛んだのは浅田選手だけでした。

3Aは浅田選手の代名詞。ただし思い出すのはどちらかというと「3Aに苦しめられた」という姿

リスクの高い3Aと自信を持って飛べる3-2の組み合わせだったら、他のトップクラスの選手達のように2Aと3-3にした方が得点に結びつきます。3-3が飛べてこその3Aだと思うので、3-3を入れずに3Aを入れるというのはなんだか矛盾しているような気がするのですが、連続ジャンプの難易度を落としてでも、浅田選手は3Aを入れることにこだわりました。
そして思い返してみるとすこーんとケチのつけようのない3Aが決まったのは、2006年以降数えるほどしかなく、どちらかというとその難易度の高さからくるプレッシャーに苦しめられ、また減点に泣かされたという印象が強く残ります。
3Aは真央ちゃんの代名詞なのに、武器というよりも、何かこう、他のものなんですよ。足枷というのはちょっと意味が違うんですけど、そんな感じ。うまく表現できませんが、癌細胞とでもいえばよいのでしょうか・・・。取り除いたら命が助かる。アスリート人生をともに歩んだ友というよりは、腐れ縁に近い。

キム・ヨナ選手によって確立された定石。それとは違う自分の信じる道を歩み続ける

3-3を確実に降りて加点をもらうという構成は、キム・ヨナ選手によって確立された定石です。ボードに突っ込んでいくんじゃないかと思うほどの速さの助走のせいか、「見ていて失敗する気がしない」あの3-3。
得点源になる連続ジャンプの精度を上げて加点を狙うという道を選ばず、浅田選手があえて茨の道を選んだのは、やはり同じ負けるにしても3Aに挑戦・失敗して負けたのなら納得がいくけれど、もしも3Aを封印して負けたとしたら、数年後に振り返った時に「負けてもいいから挑戦しておけばよかった」と後悔する。そういうことがアスリートとしては耐えられないのかなと思いました。

今こうしてブログを書いていて改めて気がついたのですが、3Aって挑戦なんですよね。今のフィギュアのルールを考えたら、挑戦する姿勢も素晴らしいけれど、安定しているジャンプを確実に飛びきった方が絶対にいいんですよ。挑戦している場合ではないのです。3Aは女子選手にとって本当に割に合わないジャンプ。
この先どのくらい競技を続けるのかわかりませんが、きっと彼女は最後まで3Aに挑戦し続けるのだと思います。そしてファンはこう思うのです。

「浅田真央、トリプルアクセルとともに去りぬ」



浅田真央 夢の軌跡~ドリームのきせき~





長野五倫金メダリスト、タラ・リピンスキーさんの推測としては「真央はまだ金メダルをあきらめていない」そうです。そして実況の男性がそれに続いて「25歳でね」とつけたしています。「25歳でね」というのは、決して馬鹿にしたようなトーンで言ったのではありません。
フィギュアスケートという競技において、25歳で現役で戦い続けるだけでもしんどいことなのに、金メダルを追い続けるということがどれほど心身ともに大変なことかを慮ったうえでの補足のひとことのように私には聞こえました。
現役を続行するのなら、3Aを捨てて軽くなった心身で戦う浅田選手が見てみたい・・・。

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