山田詠美氏のエッセイはやはり非モテ系のバイブルだ


よい子の皆さんはもう買ったかな?著者はよい子には読んで欲しくないかもしれないけれど・・・。



山田氏、相変わらず言葉に関して偏屈だ(笑)。

TVドラマのヒロインのように完璧な女性像を追い求めるあまりすかすかの人生を送るのではなく、自分自身の人生の主役として生きて行くための63のルールが書かれているのですが、早速ルール2「目指すは『磨かれた女』」でおおっ!と唸ってしまいました。こういう女のうざさの素をわかりやすく、美しい文体で解説してくれています。

そして彼女の過去のエッセイを読む度に感じたことを、本書にも感じました。それは山田詠美氏のエッセイは非モテ系のバイブルであるということです。あなたにとってモテ=幸せ(本書ではこの「モテ」のくだらなさにも言及しています)だとしたら、読まない方がいいです。網を張っておいてそこに引っかかっていた魚を見て「おおっ大漁!」という結果=数値が得られないと安心、満足できない人。そんなあなたには、もっと他に読むべきものがあります。

正直に感想を書くと、昔のエッセイの内容と重複している部分はあると思います。なんかこれ読んだことあるよなぁみたいな部分ですね。それはきっとどの作家にもあることなんですよね。だけどそれでも再び私は彼女の書く文章に恋をしてしまうのです。もう何度も読んでオチもすべてわかっている稲中を、今読んでも同じ箇所でふきだしてしまうように。(ミスチル=三橋美智也?のネタとか)
甘さ、辛さ、酸っぱさ、ほろ苦さ・・・・このうちの一つのどれが欠けても、人生の醍醐味という味は深くならないけれど、その味わい深さを既に知っている人にも知らない人にもおすすめの一冊です。私ですか?私はまだ知りませんよ。ほろ苦さや辛さはできることならあまり味わいたくないけれど、やはり甘さを引き立てるものとして欠かせないのだろうなぁ。

4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール