マリア様はお見通し

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Wendi Deng Murdoch(2)大都市・広州で動き出した運命

 

Wendi Deng Murdochという中国人女性は、1968年12月8日に江蘇省徐州市で鄧文迪として生を受けました。改名前の文迪という名前は文化革命を意味し、共産党への忠誠を示す意味でつけられることが多く、当時流行っていたそうです。

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 アメリカンドリームを語るうえで便利なせいもあるのでしょうか、中国の貧しい農村の出身という出自が独り歩きしていますが、色々ウェブで調べてみたところ当時の徐州市が本当に貧しい農村だったかまではわかりませんが、Wendiさん一家は現地ではどちらかといえば暮らし向きがよい家庭だったようです。

運命が動き始めた広州市 

3 Lampions in Guangzhou

Wendiさんの父親が広東省の広州市に転勤することになりました。そしてこの大都市で彼女の運命が動き出します。彼女の父親がまず広州市にうつり、少し遅れて家族がやってきます。そこでWendiさんはJake & Joyce Cherry夫妻に出会います。夫妻にとっては終わりの始まりで、Wendiさんにとっては中国を脱出するための翼を得る機会でした。

瞬発力と集中力

広州市では医学部に進んだWendiさんでしたが、Cherry夫妻に出会い英語の勉強をし始めて、そちらにフォーカスするために中退します。私の想像では熟考の末ではなくあっさりとドロップアウトを決断したと思いますね。
親の期待に応えるために常に120%のパフォーマンスを求められていたWendiさんのことですから、医学部でも優秀だったはずです。だけど彼女はあっさりと英語一本に絞った。中国から逃れアメリカに渡るために。チャンスが目の前を通り過ぎる前にばっと掴んで離さない瞬発力と集中力はすごいと思いましたが、彼女に関連する海外のメディアのコラムを読んで集中力では済まされないものを当時19歳だったWendiさんに感じました。

目標達成のための近道を見極める力

Cherry夫妻にはWendiさんを含む英語を学びたがっている若い女性達が大勢紹介されましたが、Wendiさんはその中でも突出していたそうです。私はこの部分まで読んだ時、彼女が当時既に何か光り輝くものを持っていたのかと思いましたが、その続きを読んで閉口しました。
彼女がどうして目立ったかというと、夫妻に紹介された際、ミセスCherryの前を思い切り素通りしてミスターCherryのみに挨拶をしたのです。このような顰蹙を買う行動も、彼女にはごくあたりまえというか、夫人に非礼を働いたという意識はなかったのではないでしょうか。もうこのチャンスを逃してはいけないという気持ちが強すぎて、夫であるJakeさんしか目に入らなかったとしか思えません。そして狙い通りJakeさんの懐に入りこみ、アメリカで学ぶためのビザのスポンサーになってもらうことができました。
欲しいものを手に入れるためには努力をするけれど、労力を注ぐ部分を見誤らない。それ以外の部分はあっさり切り捨てる。そしてなりふり構わない。
例えばエネルギーの量が10だとしたら「9はJakeさんに使ってJoyceさんには1でいいでしょ」という人。Joyceさんに可愛がられなくても、Jakeさんに気に入られればそれでいい。スポンサーになってもらうためには、決定権(=キャッシュをはじめとする経済力がものをいう)を持つJakeにさえ好かれればよいのだから・・・・。
自分のやりたいことをするために、目的地にたどり着くために、彼女はいかに少ない労力を費やして簡単にたどり着くか、またどのルートが近道なのかを見極める力がある人に見えました。品格とか真心とかそういう無形でわかりにくいものは彼女の優先順位においてうんと下の方にある。自分にとって有益か無益か、あるいは有害なのか。彼女が人を見る目についているフィルターはそれらだけをふるい分ける機能しかない。だからこそ目的地までのショートカットがよく見えるのです。

シリーズ(3)に続く

 

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