安藤美姫さんの人間臭さ


安藤美姫はなぜ嫌われる?メディアの喰いものにされるスポーツ選手達 (TOCANA)


以前は安藤美姫で検索すると関連キーワードに「安藤美姫 言い訳」とまで表示されていた彼女ですが、「聞かれたまま正直に答えただけなのに言い訳していると言われてしまう」と言っています。
こういうところも含め、メディアに叩かれやすい彼女ですが、リンク先のコラムでも書かれているように、彼女を叩けば販売部数(アクセス数)が伸びる。そして叩きやすいのは、安藤さんの「聞かれたまま答えただけだ」という言葉からもわかるような、人間臭さからくるのかな、と思います。

http://www.flickr.com/photos/90413374@N00/5754906521

photo by shakingwave


彼女の人間臭さが最も如実に現れたのが、2008年あたりの全日本選手権でした。フリースケーティングの6分間練習中だったと思うのですが、彼女が村主章枝選手と衝突してしまいました。一つのリンクを6人で使って練習しているのですから、アクシデントを避けられない時だってあります。彼女は突っ込んでいった側ではなく、衝突に巻き込まれた側でした。
そしてインタビューでこういったのです。

「村主さんはすごいと思いました。私がもし村主さんの立場だったら、衝突した後にあんな風に演技はできなかったと思うし・・・」

人を転ばせたらそれなりに動揺して、ミスの一つもするよね、だけどあなたはきれいにまとめられて図太いね、っていう本音がぽろりと出てしまったんですね。確かにあの夜の村主さんは、何事もなかったような顔をして滑っていました。だけどそれは選手として当然ではないでしょうか。転んだ衝撃が影響して思うように滑れなかった安藤さんから見たら面白くなかっただろうけれど、人を転ばせてしまった反省はリンクの外でいくらだってできるのだから、気持ちを切り替えて試合に臨めばいい。その日のために練習してきたのですから。

私はこの部分を聞いた時「あっ、ミキティー言っちゃった!」と思いました。そして本人もそう思ったのか、言葉に詰まってしまい、しばらく気まずい沈黙が流れました。この沈黙を破ったのは、観客達からさざなみのように起こった小さな拍手でした。そしてこの救済を得て安藤さんは「こんなことになってしまって、すみませんでした」と謝ってインタビューを締めくくりました。
彼女は計算ができない人と言うか、計算したとしてもそれが裏目に出てしまう間抜けさが人間臭くて、メディアにいじられやすいのかな、と思いました。そして彼女のファンはスケーティングや美しさだけではなく、そういうところに惹かれているのではないでしょうか。

cantfoolme.hatenablog.com