魅力だけでは銀座のNo.1ホステスにはなれない

銀座の名だたる高級クラブの一つ、クラブ・ベルベのチャコママこと髙木久子ママの著書・銀座ミーティングを読み終えました。

銀座で磨かれ抜いた女の付加価値に一流の男達が吸い寄せられてきて、夜な夜な散財していった時代が終わり、今はその付加価値のある女達から必死でお客を呼ばなければ店はやっていけない厳しい時代になりました。

どんなに美しくて色気があって、聞き上手なホステスであろうと、がんがん営業していかないとやっていけない

男に媚びてなんぼの商売。
私は読んでいて「もし私が男なら、そこまでしつこくメールやら電話、しかも菓子折りまでもって挨拶に来られたらちょっと迷惑だよな・・・」と思うことを、ママは女の子達にやりなさい!と言う。
実際に、顔はこけしみたいで美人ではなかったけれど、「No.1になるにはどうしたらいいですか?」とチャコママに聞き、本当にその言われたとおりに素直にやってみて、No.1になった子がいます。よくよく読んでいくと「あの子に会いたい」と思ってお客が来店するわけではなく「まああそこまでやってもらったから店に行ってやるか」という感じ。魅力にやられたというより、義理というか、お客様が根負けしたといった方がいい。だけどママにしてみれば、客を呼べない美人より、客を呼べるこけしの方が可愛いのです。

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photo by ilovebactisme

昔と今の銀座では客層違う

アマゾンのレビューにも書きましたが、銀座の客層は悪くなりました。


いい女と楽しく酒を飲んで、ついでに擬似恋愛を楽しんでいい夢を見るために、大枚をはたくことができる客が銀座に通ったのが昔だとすると、今の銀座は「とにかく銀座の女とやりたい。いくら使えばやらせてくれるだろう」というのをあからさまに出す客が多い。昔の銀座にも後者のような客はいたとは思いますが、肉体関係はあくまでも擬似恋愛の延長線上だったのではないでしょうか。

今の銀座で働いたら「男って馬鹿だな」としか思えなくなるというか、男性を尊敬できなくなりそうです。え?そんなわかりやすいよいしょで喜んじゃうの?というのをおくびにも出さずに、そして客に意地悪されてずたずたになった心を隠すように笑顔で接客をするのは大変だと思います。 だけどチャコママが言うように、120%やっていれば、お金は後でついてくる。そうやって努力し続けるホステスの売上げに支えられているのが、クラブ・ベルベなのでしょう。

「お給料は我慢代」とチャコママは言いますが、女性を引っ叩くような客は引っ叩き返してもいいと思いました・・・。「高い金払って飲んでるんだぞ!」という横柄な客は最低だけど、この不況の時代には、そういう客でも来続けてもらわないと困るのでしょうね。


昔の銀座は、一流の男達が集まった。文豪、そして政治家。そして彼らに愛された伝説のママ・おそめ


「金と男は追いかけてはいけない。追いかけさせなさい」とよく聞きますが、彼女は男もお金もあとからついてきた典型。彼女が今の銀座を見たら、時代が違うとはいえ、嘆くでしょうな。

おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)
関連書籍:昼間は心理カウンセラー 銀座No.1ホステスの心をつかむ話し方

 

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