なぜそこまで執拗に復讐するの?そこまでの経緯を早送りしてはいけない。

 

復讐映画といえば韓国、韓国といえば復讐映画。私は主人公を残忍な復讐マシーンに変えた経緯を早送りしてしまうのですよ~。
韓国映画に限らず、ハリウッド映画でも。「これなら心をめった刺しにされたようなものだ・・・」と主人公を復讐の鬼にしてしまうほどの部分を、私は早送りしてしまうのです。 
例えば 「アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ」 という映画。

★この先に紹介する映画全てについてネタバレあり

主人公の女性が小屋というかコテージのようなところで小説の執筆に入るところからストーリーが始まるのですが、最初の15分くらいはいらいらしっぱなし。

といいますのも、変な音がしたり気味が悪いことが続くのに、この主人公は逃げないんですよ。あー立ち去れ立ち去れ!!!!家に帰って続きを書け!といらいらしてきたのですが、ここで逃げたら映画にならないわけです。

そして4+1=5人の男(なぜ4+1と書いたのかは映画を見ればわかります)にまわされるわけですが、私はこのシーンが見るに耐えなかったため早送りして、復讐の始まるところから見始めたんですよ。だけど暴行されるシーンを早送りしてしまったため、復讐するシーンを見てもただむごいなぁと感じるだけで、なぜそういうやり方を選んだのかがわかっていないのです。
そこでだめだこりゃと思い最初からきちんと見直したわけですが、もうひどいの。
"I'm sore."「(ひりついて)痛い」と泣いている主人公に向かって、笑いながら"I'm an ass man."「俺はケツ(に入れる方が)が好きなんだ」と吐き捨ててレイプし続ける男。5人の中でこいつが最低で、そして最後にそれなりの報いを受けます。ass manにふさわしい最期・・・・・ふふふふふ。
レイプされてるシーンは確かに目も当てられませんよ。所詮作り物・・・作り物・・・と言い聞かせても、やっぱりげぇぇぇっとなってしまう。だけどそのシーンを見た後だと、5人(というか4人)がそれぞれどうしてその形で復讐されたのか納得がいくし、主人公は自分がレイプされた時に4人から言われた言葉をそれぞれ全部覚えていて、4人を一人ずつ追い詰めて復讐していく時に、その男が苦しみにもがくのを見下ろしながら、それらの言葉をそっくりそのままその男に返すのです。

レイプされるシーンを見たからその言葉が意味することがわかったけど、レイプシーンを早送りしていたらその言葉の重みがわからないまま映画を見終えてなんのこっちゃとなっていたと思います。ちなみにI spit on your grave 2(続編)ですが、これは私にとってはずれ映画でした。2を見た感想としては「見るものの心を捉えたら一瞬とも放さないプロット作りができない人は、糞尿などのわかりやすいネタに走る」

お次は「悪魔を見た」

 
これは最初から「全部ちゃんと見る!」と覚悟を決めて見ました。チェ・ミンシク演じる殺人鬼の自宅敷地内にある処刑場は、食肉処理場のようで、その血なまぐさい処理場と、古いながらもきちんと整頓された彼の部屋の対比がまたなんともいえないのです。
人を殺して解体した後にその部屋で優雅にモイスチャライザーをお顔にパッティングしてギター弾いてる場合じゃないだろって思うんですけど、彼はもう人間じゃないからしようがないのか。 そんな風に人間の心を失って「死ぬことなんか怖くない」とも言っていた殺人鬼が、やはり最後には命乞いをする姿を見て、人は生を受けた限り、本能的にそれに執着するものなのだと思いました。

悪魔を見た(字幕版)

悪魔を見た(字幕版)

  • キム・ジウン
  • ホラー
  • ¥2000


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