マリア様はお見通し

普段は何も見えていないふりをしながら、善人面して静かに暮らしています

一生無菌室に閉じ込めておけばいい


大好きなエッセイストの最新刊を読んでいます。
今読んでいるものはそのエッセイストのご両親、そしてご主人について書かれているのですが、だいぶ前に読んだそのエッセイストの生い立ちを面白おかしく書いた本とあわせると、なぜ著者がこんなにユーモアのセンスあふれる方なのか、またからっとドライで知性すら感じる下ネタを言うようになったのか、人間形成・ライター形成に大きく関わった方達のことをこれまたとても楽しく読ませていただいております。

この本を手に取ったのは、8月4日。
そしてこのエッセイストは広島県出身で、私は奇しくもこのエッセイストのご両親が体験した原爆投下の日の広島の様子の部分を、ちょうど8月6日に読むことになったのです。そして話は原爆資料館に移りました。以下著書より引用。

「原爆資料館にもよく連れて行かれた。今は、吐く子や夜眠れなくなる子が出るという理由で、残酷な写真の展示が排除されているのだが、昔はすさまじい写真で溢れていた。木片のように重なる炭化死体。全身焼け爛れた被災者、丸く固まった赤ん坊、巨大な骸骨ピラミッド。私の幼い脳に、死に対する恐怖が染み付いた」

http://www.flickr.com/photos/25704219@N04/5025409016

photo by Vincent_AF


これは資料館側の自主的な排除なのでしょうか?それともクレームがついたから?

「うちの子、あれを見たら眠れなくなっちゃって・・・・。広い年代層が来館するからこそ、展示する写真には配慮をして欲しい」などという親がいたのでしょうか。
戦争の悲惨さは確かに幼い子供達にはショックが大きいと思いますが、そのすさまじい写真こそが戦争の悲惨さを語り継いでいくと思うのです。人間の最も愚かな選択と決断がどういう悲劇を生み出すのか、それをきちんと説明してあげられるのが親の務めなのではありませんか?
有害なものから可愛い我が子を守りたい、というのが親の心だとしたら、すさまじい写真まで「有害なもの」になってしまうのでしょうか。
有害なものだと思うのなら、可愛い我が子を一生無菌室に閉じ込めておけばいい。どんな大人になるか楽しみです。