歴史に残る最悪の女子会 「大事な話がある」それは彼女のトークショーだった

筆者は40代ですから、当然今まで数多くの飲み会に参加してきましたが、時間と金の浪費としか思えない飲み会ランキングの第一位を10年以上死守するほど強烈な印象を残した飲み会があります。

Untitled

 

私が20代後半の頃の話ですが、当時同僚だった明子(仮名)という女性が主催した飲み会でした。この飲み会で彼女が「なんて自己中心的な女なのだろう」と思わずにはいられなくなり、それ以来もう二度と彼女と飲むことはありませんでした。
社内でも気の合う妙齢の女性社員が集まって飲む時というのは、職場ではゆっくり話す時間もなかなかとれないから一席設けて交流しましょうという感じですが、この飲み会は完全に主役・明子と彼女の話を聞きに来た聴衆あるいは新聞記者達といった感じでした。「みんなに私の恋バナを聞かせてあげる」という彼女の妙な思い上がりが今でも不思議でなりません。

お店選び


彼女は東京のはずれ(千葉寄り)から横浜にある職場まで通っていたのですが、その飲み会は彼女にとって便利な都心で開催されました。他の参加者達は全員川崎、横浜に住んでいましたから、仕事が終わってからわざわざ都心まで出ていき、神奈川県組はそこからまた帰ってこなくてはいけなかったのです。だけど「大事な話がある」というのですから、そこそこ雰囲気のよいお店を選んだ結果だったのだろうと、その時は思うことにしました。
私と君江さん(仮名)は残業をしなくてはいけなかったため遅れていくことになったのですが、定時で会社を出た明子は私達に以下のようなメッセージを送ってきました。
「地下にあるお店を予約したんだけど、そこは見つけにくいうえ私の携帯の電波が届かないから、もしも迷ったら自分達で頑張って探してきてね」
君江さんと私は六本木にあるそのお店を目指し、やはり見つけるのに若干苦労したのですが、到着するともう静かな宴は始まっていました。都心ですからそこそこお洒落な空間ではありましたが、料理はそれほど美味しいというわけでもなく「苦労して捜し出した甲斐があった」と言えるような店ではありませんでした。

彼女のオンステージ ひたすら自分語り

そして全員そろったところで飲み会の主催者である明子さんの「大事な話」が始まったのですが、どんな重要なことなのだろうと構えていたらなんと「彼と別れることにした」というものでした。これに筆者が拍子抜けしたのは想像に難くないでしょう。なぜなら私は彼女に何人ボーイフレンドがいようが、いつどんな風に別れようがまったく興味がなかったのです。なぜ明子が別離に至るまでの経緯を説明する義務を感じていたのかはまったくわかりません。
こんなことを聞くために私はここまで呼び出されたの?
そして彼女の話は延々と続き、最終的には(おそらく経済的な理由から)当分同棲生活は解消しないことに対する説明に至りましたが、皆あまり興味がないせいか終始口をはさむ人は一人もおらず、明子にしてみれば自分が言いたいこと(主に自己弁護)を邪魔されることなくすべて言えてすっきりしたことでしょう。

まさかの割り勘

そしてお会計ですが、なんとしっかり割り勘で一人6,000円。遅れて参加したため皆ほど飲食していない私と君江さんもきっちり6,000円。明子の口から「今日はここまで来てしかも話を聞いてくれてありがとう」という言葉は最後まで聞かれませんでしたし「皆は私のプライベートに興味があって当然」と思える彼女だからこそしっかり割り勘にしたのでしょう。
私達のお金、時間、エネルギーを無駄遣いしたとはこれっぽっちも思っていないであろう明子。むしろ「私の恋の終わりを聞けてためになったでしょう?」とでも思っていたのではないでしょうか・・・。自分が教祖になって宗教を始めそうなタイプの人間でしたから、きっと今頃どこかで小さいながらも宗教団体を設立していても不思議ではありません。そして信者もいることでしょう。ああいう変なのに傾倒してしまう人って結構いると思うのです。


関連記事