母親としての責任よりも女としての喜びを優先する人

目黒区のアパートで船戸結愛ちゃん(5歳)が両親に日常的に虐待を受けた末殺された事件のニュースを見ていくつか感じたことがあります。
一つ目はシングルマザーで経済的不安を抱えていて、その不安が男を見る目を曇らせてしまったのかなぁということです。被害者の継父である船戸雄大は躾が厳しいことで有名だったそうですが、愛情がベースになっていない、ただただ抑圧的な行為を躾と呼ぶのでしょうか?5歳の子にモデル体型を求めたって・・・・。
朝4時に起こさせてひらがなの練習をさせ、謝罪文を書かせる。謝罪文を一所懸命書く5歳児を見ても胸が痛まない男のどこに母・優里は惚れていたのでしょうか?
結愛ちゃんがもしこのまま生きていたとしても、優里は雄大から彼女を守ってやることができず、生き地獄が続いただろうとしか思えません。殺されてようやく現世の苦しみから解放されたみたいで、本当に不憫です。
二つ目は、母親としての責任よりも、自分の女としての喜びや幸せを優先する人が抱える問題の根の深さについてです。


うんちょぱすさんの決断は正しかったです。もしもこの男性とうんちょぱすさんが結婚し二人の間に子供が誕生していたら、うんちょぱすさんがその後も今までと変わらずどんなに娘さんを可愛がっても、娘さんにとって居心地の良い、温かい家庭を築くことはできなかったはずです。だけど日本だけでなく、世界のいたるところにいそうですよね・・・自分の家庭なのに、自分の居場所が見つけられない可哀そうな子供達が・・・。帰ってもほっとできるおうちのない子供達。
結愛ちゃんは母親がこんなろくでなしと結婚したせいで、たった5年しか生きることができませんでした。優里自身も結愛ちゃんを虐待をしていましたが、彼女のように母親としての責任よりも、自分の女としての喜びや幸せを優先して雄大みたいな男でも結婚してしまう女性が抱える問題の根は深いと思います。なぜなら私も同じような人を知っていて、この人はどうしてこうなってしまったのだろうと思うことが多々あったからです。幸いその女性の子供は殺されずに済みました。その女性を林さんとします。

平凡な毎日の中で時々刺激が欲しくなるということは、人間誰しもあります。だけど林さんは、その刺激のために平凡な毎日という、簡単そうで意外と得られない幸せを手放してしまいました。不倫相手に本気になってしまったのです。
ところが子供を連れて離婚までして一緒になったその男はとんでもない男でした。詳細は書きませんが、林さんの子供に虐待をしていたことは言っておきましょう。虐待に気がついたのは、林さんのご両親でした。私はその虐待発覚の経緯を聞き、林さんに聞きたいけど飲み込んだ質問があります。
「林さんは、その虐待の跡に気づいていなかったのですか?」
気づいていたと思うから、聞けませんでした。そして私の開いた口がふさがらなかったのが、彼女のこのひとことでした。
「やっぱり(不倫相手と)籍入れなくてよかった。あんなやつと結婚してもデメリットしかない。母子家庭向けの手当の方が助かる」

私は旦那さんを傷つけても、子供と父親を引き裂いてでも、貫きたい恋があるのなら、それなりの覚悟だと思っていました。誰を傷つけてでも、この人と残りの人生を歩んでいきたいと思える人と出会ってしまったタイミングが悪いと、どうしてもそういうただならぬ恋になってしまうでしょう。
だけど彼女は最初から母子家庭向けの手当というセーフティーネットをあてにして、夫を捨てたのです。その程度の覚悟だったのか、と思いました。この話を聞いて以来、彼女の身勝手さがどうしても目に付くようになってしまいました。
例えば仕事でもそう。林さんのせいでトラブルに巻き込まれてしまった人のことなんて、売りましたからね。「すみません、実は私がその操作をするよう指示しました」のひとことで、その人は救われたのに。それどころか「この間XXさんが△△して監査で引っかかっちゃったから、みんなも気をつけてね」と言いまわる始末です。
どうしてこんな人間になってしまったのだろうと思いますが、その根は深そうな気がしてならないのです。