週に一度の深酒で知った「アルコールは何ひとつ解決してくれない」ということ

合法的にハイになれる、手軽に手に入るから怖い「酒」 - マリア様はお見通し の続きです。

私がまだ二十代の頃の話です。
若い頃の苦労は買ってでもせよっていうじゃないですか。仕事がどんなにきつくても「侵食を忘れて働く日々は経験した方がいい。後から必ず自分を支えてくれるから」と自分に言いきかせていました。そして休みの前日はストレス発散目的で同僚達と深酒をするのです。仕事の愚痴やバカ話・・・・毎週毎週まぁよくも飽きずにという感じでしたね。そして帰宅したら顔も洗わず歯も磨かずベッドに倒れこんでそのまま爆睡というコースでした。

久々に帰省し親と飲んだら、父は喜び、母は不安げに私を見た

生まれて初めて月経過多を経験をしたのもこの頃。心身ともにやばいなぁと思っていました。そして久々に帰省し両親と飲みに行ったら、あまりにも早いペースで私が飲むため、父は「おまえいつからそんなに飲めるようになったんだ!嬉しいなぁ。自分の娘とこんなにたくさん飲めるなんて・・・」と嬉しそうにいいました。
ところが父と同様に酒豪の母は、怪訝そうに私を眺めてこういいました。

「あなた、お酒の味なんて何にも楽しんでないんじゃないの?」

私の答えは「楽しんでないよ。酔っ払うために飲んでるんだから味なんてどうでもいいよ」でした。

「ちょっとよくない飲み方よねぇ・・・・」

心配そうに見つめる母に「酒がまずくなるからそういう風に見るのやめてよ」と言い返しましたが、アルコールで酔っ払って一時的に気持ちよくなっても、結局何の解決にもならないのだということに気がついたのは、それからしばらくしてからのことでした。

せっかく辛い思いをして稼いだお給料がお酒に消える・・・

深酒といっても仕事が休みの日の前日=週1回だけだから、アル中にはならないだろうと思っていましたし、実際になりませんでした。だけどある日ふと、お酒を飲みながら「私は心からこの人達とお酒を飲むことを楽しんでいるのかな・・・」と思ったのです。きっかけは自分でもわかりません。だけどこうやって「ストレスが溜まる→深酒をする→一週間が始まる→再びストレスが溜まる→また深酒」という堂々巡りをしている時間、そしてそこで浪費されるお金のことを考えたら、あほらしくなったんですよ。

ストレスを発散することは確かに必要。だけどストレス耐性をつけることはもっと大切

ストレスが溜まって爆発しないよう、ガス抜きをすることは大切です。これができない人は心身を病むと思うので。だけどそれよりも大切なのはストレス耐性をつけることだと思いました。
100%ストレスフリーの人生なんてないと思うんですよ。ただ感じ方や見方を変えることによって、ストレスの大きさを自分でコントロールできます。ユーモアを忘れなければ、ストレスは小さくできるのです。
こうして週1の深酒をやめたら、休日も気持ちよく過ごすことができて、心も体もすっきりするもので、もっと早くやめればよかったなぁと思いました。で、深酒をやめた後、ガス抜きはどうやっていたのかって?
それは「お酒を楽しむとしたら、美味しくてドライなマティーニを特別な誰かと」という具体的な理想を持ったことで、自分も魅力的な人間になりたいと思うことで支えられたのだと思います。また、理想を持ったことで不思議と深酒への欲求もなくなりました。

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photo by cogdogblog

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