非定型うつってこんな感じなのかな



非定型うつとただの我がままの違いがよくわからない私ですが、もしかしてこの人のケースが非定型うつってやつなのかな、と思ったことがあります。

漫画で見る非定型うつの特徴 「仕事には行きたくないけど、楽しいことには積極的に行く」

昔働いていた会社に常に省エネモードのR君という、とても太っている男性がいました。椅子から立ち上がればすぐに手が届く物すら人に頼んでとってもらう程の省エネモードです。とにかくできる限り動きたくない。そしてちょっと動くとぜいぜい息を切らす。
また彼は、食べるのが超早くてほとんど噛まないせいか、喉をつまらせて息ができなくなり、たまたま近くを通った人に水を持ってきてもらって九死に一生を得るようなことがたびたびありました。
またとても気持ちのアップダウンが激しい上、忙しくなってきてイライラすると周りへの当り散らし方が本当にひどかったのです。それって社会人としてどうよ?と思う以前に、彼が自分を制御できない様子は病的でもありました。
そんなR君には持病があったのですが、ある日彼はこう漏らしました。

「僕は薬の副作用でうつっぽいんだ。だから職場でもみんなに迷惑をかけて悪いと思っているけど、しようがない。こんなんじゃ結婚もできないよ」

そうだったのか・・・・。
私は今まで、彼の情緒不安定さは全て肥満からくるものだと思い込んでいました。

デブ→ちょっと動くと疲れる→仕事がつらい、というスパイラルですね。あるいは非定型うつだと思ったんですよ。だって彼のフェイスブックのタイムラインはとってもアクティブ。しょっちゅう自分の趣味であるイベントに行ってるし、自分でもイベントを仕切ったりしていたのです。
だからR君のタイムラインを見てると「そんな元気があるならもっと働けよ」とイライラするので、見ないようにしていたのです。
そして私からのいいね!やコメントがまったくつかなくなったことに気がついたある日、彼から薬の副作用によるうつの話が出たというわけです。

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photo by B Gilmour.

そして省エネモード=動かない(動けない)、働かないR君のフォローという名の尻ぬぐいをさせられ続けた男性がついにキレた瞬間、私はたまたまその場に居合わせました。

「俺、ずっとあなたが病気だからと思って我慢してましたけど、今日は言わせてもらいますからね!!!!!」

パーティションの向こうにいた私は、自分の仕事の手を止めて聞き入ってしまいました。
本当にこの人は耐え続けてきたんだ。私なら無理だ。
声は大きかったけど、感情にまかせて怒鳴っているのではなく、彼がどれほどの虚しさや惨めさ、怒りを押し殺してきたかを理路整然と伝えていたのが、余計に事態の深刻さを感じさせました。今までその男性に散々おんぶに抱っこだったR君は「あ・・・いや・・・・」と蚊の鳴くような声で時々反論するだけでした。ぐうの音も出ないというのでしょうか。 ちなみにR君は今でもプライベートではとてもアクティブです。もう一緒に働いていないから、彼のタイムラインを見てもなんとも思わなくなりました。

 

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