同情は長続きしない

難民や被災された人々の力になりたいとか、同情というのはそう長続きしません。だからこそ売り上げを寄付する形で支援を続けようと思うのならば、付加価値のあるもの売り続ける必要があります。
たとえばこの酒のいしかわのように。

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ワインの購入の主な目的が復興支援だと長く続きません。だけど「あのお店に置いてあるあれじゃないと駄目なの」「あのお店はこうしてくれるの」だったら人は買い続けるし、必然的に支援も継続できますから、やはり「福島県の酒屋だから支援し続けてほしい」と訴え続けるよりも、商品やサービスの質で勝負して顧客を獲得・維持しするべきです。
支援につながるブランドといえば、福島県からは離れてバングラデシュを支援している(株)マザーハウス

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「貧しい国の人達が頑張って作ったから買う」のではなく、「これがいい!」から買う

代表兼デザイナーの山口絵理子さんが「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という決意のもと設立した会社(wikipediaより)で、アジア最貧国バングラデシュにあるジュートという素材を使ったバッグを中心に販売しています。
ウェブサイトを見てみると素敵な商品が多く、使っていて少し古くなってしまっても、それはそれで風合いに魅力が出てきそうなものばかりです。これなら欲しいと思いますよね。 
そしてバッグが売れ続けることによりバングラデシュでの生産も続き、雇用が安定、拡大するわけです。 逆に同じ支援目的でも、ちょっとエスニック系のお洒落をした人が道端に茣蓙をひいて出しているお店で「売上げの一部はアジアの最貧国バングラデシュに寄付されます」と書いた紙が出されていても、そこで売られているものが現地で10分の1くらいの値段で変えそうな民芸品でそれほど欲しくもないものだったら、寄付だけのために買おうと思わないじゃないですか。人の同情なんてそんなものですよ。

 山口絵理子さんの著書 「裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記」 (講談社BIZ)
ある日工場に行ったらもぬけの殻とか、よく人間不信にならなかったなあと思いながら読みました。私ならもう絶対にあんな挫折からは立ち直れません。