営業しなくても客が来るホステスの会話術


本書は元銀座No.1ホステスによるテクニック本です。 なんと著者は、病気の治療中に飲んだ薬の副作用でうつになり、しまいには「もう手に負えない」と言われ、病院から追い払われてしまったという過去を持っています(笑)。
そのうえ人見知りの口下手で水商売の世界に飛び込んでいった著者・水希さん。言葉は悪いけどメンヘラだったってわけです。 



ホステスを始めて売上げもまったく伸びなかった頃、うつの闇の中にいる自分を救ってくれたカウンセリングで、先生が自分にしてくれたことを自分もお客様とお話する時に実践してみたら、あっという間に売れっ子になり、他店のホステス達の間で「あの娘は営業しなくても客が来る」と噂されるまでになりました。
「座っているだけで絵になる美人ではないのだから、もっと気遣いしなさい!」とママに叱られた著者が、お客様に自分とお酒を飲みながら過ごす時間を楽しんでもらうために実践した話し方に関して書かれています。本書は第二章までは皆さんも既にご存知のテクニックが紹介されていますが、その既存のテクニックについて掘り下げられた説明が書かれています。

例えばうなずき人形という表現が出てきます。「ああ、それなら知ってる」と思いますよね。私もそう思いました。だけどうなずいていればいいってもんじゃないんですよ。お客様がもっと話したくなるような、「あ、この子はわかってくれているんだ」と感じさせるうなずきがあるのです。

まるで自分がカウンセラーになったつもりで、お客様が漏らした一言を拾って、そこからお客様が本当に話したいことを導き出す。少しずつでよいのです。
そうやっていると「押してあげるべきボタン」がわかるのです。そしてそのボタンが一つずつ見えてきたら、押してみる。するとお客様は、自分自身ですら気づいていなかった答えが出て、あらまあ気分すっきり。

「またこの娘と話したいなぁ」という流れにするために、このうなずき人形になって話を聞くというステップは重要です。お客様は高いお金を払ってお酒を飲みに来ているんだから「この子は俺の話を、気持ちをわかってくれている!楽しいなぁ。気分いいなぁ」という風になりたいじゃないですか。

「へぇすごぉーーーーい」「そうなんだぁーーーー」

ホステスが使いがちな、とても軽薄に聞こえるこれらの言葉は水希さんも使われるそうです(笑)。だけど彼女の場合、面倒くさいからこれらの言葉で済ませているわけではないのです。そこらへんは本書を読んで勉強してみてくださいね。

 
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