山田詠美氏の美学と美意識



公式ウェブサイトもツイッターアカウントも持たず、プライベートの露出がまったくない作家・山田詠美氏。



普段ちら見せしないからこそ、「普段あの方は何をやっているの?」とファンの興味をひきつけて、たまに出すエッセイが売れるのでしょう。
このブログの読者の中にもファンは多いのではないでしょうか。彼女の作品ではゆるふわとか素敵女子というお花畑系キーワードに出くわす危険がないため、安心して楽しめるというのが魅力の一つだと思います。

メイク・ミー・シック (集英社文庫)

数ある山田氏のエッセイの中でも、彼女の美学と美意識が最も濃厚に凝縮された著書ではないでしょうか。久しぶりに出してきて読んでみたら、この頃の山田氏の鋭さが改めて好きだなぁと思いました。彼女のエッセイには熱血ぽんちゃんシリーズというのがあって、懇意にしている編集者達とわいわい楽しく飲んでいる時のやりとりをはじめとする、彼女のプライベートが書かれています。それはそれで面白いんだけど、やっぱりこういうメッセージ性の強いエッセイの方が私は好きだなぁ。