1弁当1ストーリー。

いつも超簡潔にまとめあげた記事を更新されるブロガーさんが「お弁当の画像をアップするのは何のため?」と書かれていたのを読み呼応して記事を書いております。>> 見たい?|醜女ヲ磨ク


私もお弁当の画像をアップする人の気持ちがいまいちわからなかったんですよ。
そのくらい他人のお弁当の中身って関心がもてないものなのです。だけど他人のお弁当を集めて作品にしてしまった人がいます。それがフォトエッセイ「おべんとうの時間」シリーズ。

これ、大好きなシリーズです。他人のお弁当の中身に興味がない人でも読んでいて面白いお弁当フォトエッセー。私が昔書いていたブログでも紹介したから、覚えていらっしゃる方もいると思います。
お弁当の画像と、そのお弁当の持ち主のインタビューが1セットになって、それが確か二十人分くらい詰まって一冊になっています。お手本にしたいキャラ弁を探している人にはまったく参考になりません。だってこのフォトエッセイに出てくるお弁当は、キャラ弁のようにエンターテイメント性とか、見られてなんぼっていう感じがまったくないからです。
ただそのお弁当を作った人、持っている人の日常がお弁当を通じて見えてくるんだけど、その見せ方がいいんですね。多分インタビューしている人が引き出し上手なのだと思います。文章にオチとか何にもないのです。ないからいいんだろうな。
淡々とそのお弁当について、持ち主が語っているだけ。
まだ暗いうちに奥さんが起きて作ってくれるお弁当や、あまりにも器用に美味しそうなサンドイッチを作ってしまうから嫁が来ないといわれるんです、という中年男性、栄養バランスなど気にせず、だけどぺこぺこのお腹がとても喜びそうな、不格好だけど大きなおにぎりなど・・・。ただそれだけなんだけど、お弁当って楽しいなって思えるんですよ。
これを読んでいるとね、別にお弁当なんて立派なものじゃなくていいなって思えます。素朴でいいんです。続編も出ています。


そもそも日常的に作るお弁当って、こういう風に余り物の総活用でいいじゃないですか。余り物を詰めて描くアート。面倒臭いけど、「余り物がこんな風に化けた!」とぴたっとはまった時の楽しさも格別です。


余談ですが、おべんとうと言えば私が素敵だなぁと思ったのが、イタリア語通訳者兼エッセイスト田丸公美子氏が一人息子・ゆうたさんのために作ったお弁当の話。
確かテストの結果が悪かったとかで、罰として白米だけのお弁当を持たせたんですよ。そしてゆうたさんがお弁当のふたをあけてみると、当然真っ白・・・・なのに食べてみてびっくり!なんとご飯の下に、唐揚げやら卵焼きが隠れていたのです。

◆抱腹絶倒、時々涙ありの子育て記