他人には耳障りでも、自分にとっては心が落ち着く音



私は水の近くでしか暮らせません。海が無理なら湖か川でいいです。とにかく水を必要としている人間なのです。だから水の音も好きなんですよ。 私が夫と従姉妹達と一緒に白川郷に行った時、小川の流れていく音を聞きながら、この水の音は、しんと静まり返る白川郷の夜の中でさぞ美しく響くのだろうなと想像しました。そしてその音を聞きながら眠りたい、と言ったんですよ。そしたら従姉妹が「ええ、信じられない。こんなの聞いてたら眠れないって!」と言いました。私の夫も従姉妹に同意していました。
このように人にとっては耳障りでも、自分にとっては心が落ち着く音があります。その一つに「リアル・かえるの合唱」があります。

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画像は関東農政局からおかりしました

私の田舎で田植えが終わると、夜、水の張られた田で夥しい数の蛙達が鳴き始めるのです。それを聞きながらお風呂に入っていると、すごくほっとしたのを覚えています。
祖父が生きていた頃は、その合唱を聞きながら私が入浴している時間に田んぼの水を見に行くことが多かったので、彼の帰りがちょっと遅くなると、それだけですごく心配になったものです。
ただこの音が聞こえたのは私が高校生くらいまでですね。今田植えが終わった時期に帰省しても、もうこの音を聞くことはできません。 それに田植え後の水田を見ても、おたまじゃくしが泳いでいないのです。私と弟が幼い頃、田植え後の水田は無数のおたまじゃくしが泳いでいました。
二人で畦道を歩きながら、金魚の水槽の水かえの時に使う小さな網を二人で一つずつ持って、おたまじゃくしを捕まえて遊んだものです。そしてしばらく家で飼うのですが、蛙に成長していく姿の気持ち悪さに耐えられなくて、水田に放つ。その繰り返し。だけど現在は、田植え完了後の水田を覗いても、このおたまじゃくしがいないんですよ。水田は、そして地球はどんどん変わって行ってるんだなぁなんて思います。いい方向に変わって行っているとは思えないのですが。

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