流出商法の限界 不美人には特に厳しい


動画はアメリカのTV番組"Entertainment Tonight"。インタビューを受けているのはV Stiviano(ヴィー・スティヴィアーノ/本名Maria Vanessa Perez)さん。アメリカのプロバスケットボールチームの一つであるLA Clippersのオーナー、ドナルド・スターリング氏のパーソナル・アシスタントだった女性。

彼女とスターリング氏のやりとりの中に含まれていた彼の人種差別発言がマスコミに漏れるまでは、アシスタントとしての報酬だけでなく、彼から帳簿外で色々破格の扱いを受けていました。
スキャンダルが発覚した直後の彼女のインスタグラムのコメント欄は、trannyだのgay faceだのhe/sheだのと散々な書かれようで、傾国の美女級でないことは確かなのですが、社会的地位のある男性に貢がれたり寵愛を受けたりするには、美女である必要はないということを証明してくれました。
人種差別発言が明るみに出てしまった直後に出演したAnderson Cooperの独占インタビューで、スターリング氏は「100人の男が彼女(V Stivianoさん)を見ても、可愛いとは言わないだろう。だけど彼女はとてもスペシャルなんだ。気持ちの優しい、いい人なんだ」と告白しています。
そのスペシャルさがスターリング氏を盲目にしてしまったから、万引きによる二回の逮捕歴、二つ偽名を持っていたことといった彼女の過去に対するバックグラウンドチェックが怠られてしまったのかもしれません。

散々貢がせた後に男を売ったV Stivianoさん

スキャンダルの発覚もSNS炎上も、彼女の狙い通り(後述)だったのでしょう。漏れたのは、彼女が友達にスターリング氏とのやりとりの録音データを渡したことがきっかけです。そしてスターリング氏はNBAから永久追放され、Vもスターリング夫人から訴えられて、スターリング氏から買い与えられた高級車4台(ベントレーx2、フェラーリx1、レンジローバーx1)と高級コンドミニアムを返せといわれています。返したのかどうかは謎ですが・・・・闘争中かもしれません。

友達に録音データを渡した時、こういうことになるだろうということは頭をよぎらなかったのか、と動画中のインタビューで美人司会者ブルック・アンダーソン(ワンピースが素敵♪)に聞かれて「そんなこと考えもしなかった。だって友達ならデータを売るようなことをしないから」とVさんは言っています。

ずる賢い彼女も意外と脇が甘かったのねえ・・・・・なーんてはずはありませんよね。 最初からリーク目的だったと思います。 そうじゃなければそもそも自分達の会話を録音しようなんて思わないでしょう?
スターリング氏の寵愛を受けて何不自由ない暮らしをしてはいたけれど、そろそろ寵愛が重く、面倒になってきた。ここまで手に入れるために、ベッドでのおつとめも果たした(Vは「肉体関係は一切なかった」と言っていますが、スターリング氏が二人の関係について赤裸々に語った録音データも他のソースから流出しています)。
でも生活レベルは落としたくないし、むしろビリオネアの懐に入り込む方法を心得ている自分なら、もっと上に行ける。それなら彼との会話を流出させて、マスコミへの露出のチャンスを手に入れよう。
スターリング氏に対して恩を仇で返すようなことをしてまで上に行きたかったのかって? お金に困らない生活のためなら、恩人だって踏み台にできるほど、彼女はずっとずっと、お金がほしかったのでしょう。
もちろん彼女一人ではなしえなかったことです。裏にはちゃんと仕掛け人がいたはずです。
だけどこの一件により、メジャーなトークショーへのゲスト出演も含めて、一時的にV Stivianoさんのマスコミへの露出は増えたものの、その後が続きませんでした。

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Who Is V. Stiviano? -- NYMag より転載しました)

不美人にはスポンサーがつきにくい

パリス・ヒルトンの美しい友達というポジションから始まり、その後はセックステープを流出させて名前を売って、パーティーに顔を出すだけで大金がもらえるステイタスにのぼりつめた(のぼったのか?)美女、キム・カーダシアンとの違いはここでしょう。

世間が不美人に厳しいのは、日本もアメリカも同じなのです。また美人ですら話題性を維持するのが難しい、とても厳しいショービズ界。その厳しい世界で名前を売るために、あれだけのスキャンダルにつながるものを流出させたわけですが、騒ぎはすぐに終わってしまいました。
マスコミに追い回されていた時も、外出する際は「顔を隠すため」と言いつつ、Vはあえて目立つような大きすぎる派手なサンバイザーをつけていました。しかも毎回色違い(笑)(このサンバイザーに関しては、他のインタビューでつっこまれていました)。
これを美女キム・カーダシアンがやっていたら、サンバイザーのメーカーの広告契約がとれたかもしれない。だけどV Stivianoにはオファーすらこなかったのではないでしょうか。
同じ「とりえのない人間」でも美人と不美人ではここまで差がついてしまうということです。不美人サイドに生きる自分としては、分相応に暮らしていこうと改めて思います。

http://www.flickr.com/photos/42875184@N08/15423592811

photo by 55Laney69

「プライベート以外にも売り物(一芸)がある人が、芸能界で生き残るためにプライベートを切り売りするのはまだわかるけど、売り物がプライベートしかない人の切り売りってどうなんだろう」

静かに神田うのさんをぶった切っていたナンシー関さんを、ふと思い出してしまいました。


この記事は"権力者の寵愛を受けるには、必ずしも美女である必要はない - マリア様はお見通し"に続きます。