癌家系に生まれた「化け物」

つんく♂氏が声帯を摘出したことが報じられました。癌が治りきらなかったから、ということなのですが、このニュースを見てアンジェリーナ・ジョリーのことを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
生きるために声帯を摘出せざるを得なかったつんく♂氏に対し、まだ癌になってもいないのにあれこれ摘出したジョリー氏。
「乳がんになる可能性の確率が87%」と医師に告げられ、その後複数の専門医に相談した結果の決断(参考:wikipedia)。「この子達を残しては絶対に死ねない」という気持ちの強さの表れでもあります。 

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photo by Wonderlane


私の親戚にも癌家系が二つあります。そのうちの一つにKさんという面白いおじさんがいるのですが、癌家系に生まれた人がアンジェリーナ・ジョリーの選択についてどう思うか知りたくて聞いてみると、やはり予想通り、田舎のおっさんだからアンジェリーナ・ジョリーを知りませんでした。まず彼女が何者なのか、ということから私は説明をしました。
そしたらKさんはこういいました。

「やっぱり金持ちはやることが違うなあ。だって昨日まで身体の中にあったものが一つ、二つなくなったら、どう考えても明日からは今までと同じ生活は送れないだろう。
俺なんてまだ働かなくちゃいけないから、やっぱり身体にはちゃんと機能してもらわないと困るんだ。だから癌になってもいないのに、それらを取り除くわけにはいかないんだよ。でもその女優さんはお金を湯水のように使わない限り、働かなくても暮らしていける。だから摘出できたんだよ」

やっぱりそうきたか。金持ちはいいね。
このKさんという男性はまだ癌になっていません。父親と妹が癌にかかっていますから、いつかは自分も・・・ということは頭の片隅にあると思いますが、親戚中から「化け物」というニックネームで呼ばれるほど若々しいのです。

ところがこの方はどう見ても健康に気をつけているようには見えない。どちらかといえば不摂生なんですよ。喫煙もするしお酒も大好き。お腹だって年齢相応に出ています。そしてぶっ飛んでいるんですよね。天然とかそういう言葉で片付けられない人なのです。Kさんがボケるともう誰もつっこめないというか、ついていけない。
そして若い人達に囲まれている。若者に迎合しているわけではないのです。例えば冠婚葬祭などで親戚中が集まるじゃないですか。するとKさんの周りには、「この人おもしれー!」といつのまにか20代の若者達が群がっているのです。しかも本人はなぜ面白がられているのかよくわかっていません。

「いつかは自分も」という恐れは払拭しきれない、と観念した結果、この境地に達したのか。それとももともとこういうキャラなのかは誰にもわかりません・・・。

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