早く大人にならなければいけなかった人達


私が通っていた保育所では給食がありましたが、ご飯は自宅から持ってくることになっていました。
大好きなキャンディキャンディのイラストが描かれたアルミ製の楕円形のお弁当箱に白米をつめて、その上から太めのゴムバンドをする。そして保育所につくと先生達がそれを預かって、保温器に入れてくれるのです。
お母さん達の中にはセレブ妻などいない、恐ろしいほど牧歌的な保育所。幸せな幼少期だったなぁと思います。お母さん達の間では色々あったのかもしれないけれど、子供にはそんなことわかりませんしね。
小学校に上がると、習い事のない日が友達と重なる日の貴重さとありがたみを知り、互いに都合をあわせて、時間を惜しんで遊ぶようになりました。
世の中にはこのような「子供らしい幼少期」が一般的な子供達に比べて早く終わってしまう人達もいます。

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 スザンヌさんの離婚がニュースになった時、元ご主人の斉藤和巳氏と逢瀬の過去を疑われた上田桃子選手。皮肉にも私はこの一件で、上田選手が情熱大陸で発言した内容のせいで上田さんのブログが炎上した過去を思い出し、事の真相を確かめるためにお得意のwikipediaで調べてみました。

姉が生まれながらに障害を持ち、両親の苦労を目の当たりにしていたため、「稼げるスポーツ」としてゴルフを選択せざるを得なかったという事情もあるという。(wikipediaより引用)


ゴルフで一攫千金、って難しいじゃないですか。子供の頃から始めてゴルフだけで生活していけるようなプロになる人なんて、ほんの一握りですよ。
いまだにしっかり父親にお金を管理されている横峯さくらさん(どんどん綺麗になりますね!)や上田さんは、周りの女の子達がデートだマックで弁当だとかはしゃいでいる時に、青春を犠牲にしてゴルフに打ち込んでいたのです。将来に対する保証なんて、もちろんありません。

アメリカのLPGAで台頭している韓国勢も、かなり早い段階で父親が退職し、キャディーとして帯同したりして、娘のゴルファーとしてのキャリアにすべてを賭けるケースが多いとききます。若い女の子の肩に家族の人生がかかってるんですよ?
そのプレッシャーの大きさは想像もつきませんが、生活がかかっている分、親も相当厳しく接するはずです。親子でありながらもう親子じゃないみたいな感じでしょうか。
話はゴルファーからそれますが、羽生結弦選手のコーチ、ブライアン・オーサー氏は著書の中でキム・ヨナ選手のことをこんな風に語っていました。

「また、ヨナはとても厳格なダイエットをしていて、シーズンに合わせて、それにふさわしい栄養の食事をとっていました。これは母親が管理していました。
ヨナはスポーツというよりも、このすべてをビジネスとしてみなしているようでした。確かにスポーツはビジネスでもあります。ビジネスマンが毎日、朝起きて仕事の準備をし、オフィスに行って仕事をし、家に帰って仕事のことを考える。そのために、身体に気をつけたり、きちんと食べたりする。それと同じことを毎日繰り返すのです。
子供でもアマチュア気分でもありません。完全に仕事としてスケートをしていて、そう理解するようにしつけられていました」

チーム・ブライアン 第二章「キム・ヨナ」P.92より引用


多分キム・ヨナさんは、私が過ごしたいかにも牧歌的な幼少時代とはかけ離れた幼少時代を過ごされたのだと思いました。
私は自宅の裏にある畑で赤とんぼを捕まえて遊んでいました。左手にはアイスクリーム。そうっと後ろから近づいて、右手でさっと羽をつかんで、捕まえたら虫かごに入れる。オニヤンマの希少価値には目もくれずに、ひたすら赤とんぼを狙っていました。
アイスクリームを食べながら、次の赤とんぼを探す。そして時々右と左を間違えて、右手に持った赤とんぼを口に近づけてしまってぎゃーと叫んで、赤とんぼに逃げられる。
赤とんぼに気づかれないように静かに近づいて一瞬で羽をつかむ時の集中力の、1000倍くらいの集中力を求められる練習を黙々とこなしていたのでしょう。
ただキム・ヨナさんの場合は、お母様が家族を養ってほしいからヨナさんにフィギュアスケートをやらせたわけではなく、とにかくヨナさんの才能を開花させることに無我夢中で、後からお金がついてきたパターンですから、前述のゴルファー達のケースとは異なります。
子供のうちに家族の生活を支えてきたといえば、辻希美さんや加護亜依さんもそう。モー娘。のオーディションに受かった時、6年生ですよ?どこが歪んでしまってもおかしくないですよ。
子供のうちに特殊な世界に飛び込む人達は、そこでは子供であることを許されず、普通の子供達よりも早く大人にならなければならないのです。その代償の大きさが、賞金やギャラで報われる。その賞金やギャラは時に親を変えてしまい、親戚・知人を増やし、そしてそれは子供の人生を狂わせます。

鼻水垂らしたい放題の幼少時代を過ごさせてくれた親に感謝します。ありがとう。

 

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