マリア様はお見通し

普段は何も見えていないふりをしながら、善人面して静かに暮らしています

要領よく生きましょうよ



わかりやすいよいしょ、そしてその行為をする人間に対し軽く拒否反応が出る人は沢山いると思います。だけど40年近く生きてきてつくづく感じるのは、やはりそういうわかりやすいよいしょをすることに抵抗がなく、要領のよい人間の方が得だということです。
なぜならさりげない気遣いを少し理解しにくいアートに例えると、わかりやすいよいしょは万人受けするパフォーマンスだからです。元カリスマ編集者であり現在は作家・コラムニストとして活躍されている島地勝彦氏の著書「えこひいきされる技術」を読んで、彼ほどの凄腕編集者ですらこんなにわかりやすいよいしょをし、また塩野七生氏や柴田錬三郎氏、今東光氏といった大物作家がそういうよいしょに堕ちたのか・・・ということを知りました。 やっぱりわかりやすいパフォーマンスも大事なんですね。



島地氏が担当した大物作家達がわかりやすいよいしょしかわからないような人達で、さりげない気遣いというアートを見る審美眼や感受性を持っていない、と言っているわけではありません。 わかりやすいよいしょが多少陳腐に感じられても「ここまでされたら・・・まあしようがないなあ」と思ってしまうのが人間の心理だと言っているのです。 

「(作家を接待する上で)編集者に必要な三つのG。銀座、ゴルフ、ごますり」と言っている著者ですが、著者にとってはこの三つのGは最低限で、他の編集者が思いつかないようなこと、やらないようなパフォーマンスをやって、大物作家の懐に入り込み、彼らの作品を集英社から出版させていたのでしょう。そういう営業では、現幻冬舎社長の見城徹氏の編集者時代もすごかったそうですね。
また島地氏の「甘い生活 男はいくつになってもロマンティックで愚か者」 (私は「えこひいきされる技術」よりこっちの方が面白いと思う。「おそめ」の存在もこのエッセイで知りました) で「地頭の良さがすごい」と絶賛されていた新潮社の中瀬ゆかり氏も多くのベストセラー作家を担当した優秀な編集者ですが、私の勝手な想像では、彼女はごますりすらアートに高めることができた人だと思います。彼女も島地氏のように本を出してくれないかなぁ。サイン会があったら絶対並ぶわ!!!!

えこひいきされる技術 (講談社+α新書)