いつでも夫婦単位で行動したがる人達の気持ちがわかりません



もうこれは大昔から思っていたことです。 アメリカ人って結婚したら夫婦単位で行動しますよね。パーティー、ちょっとした飲み会、休日のイベントなど。そしてladies night out や guys night outと言って同性だけで集まる時は、パートナーに事前に許可をとる。結婚後に自分がソロで行動することのハードルが、日本よりもうんと高いんですよ。 (だからbachelor party/bachelorette party=羽目を外す独身最後の夜 をあれだけ派手にやるのかな) 

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photo by Keoni Cabral

夫婦それぞれが別々に過ごす「自分の世界」があってもいい

日本なら結婚後も単独行動しやすいですよね。「楽しんでいらっしゃい」って言ってお互いに送り出すじゃないですか。家に残される方だって、たまには一人の時間が欲しいでしょうし。私はアメリカ型ではなく後者の日本型の方が気楽で好きなんですよ。私はアメリカの離婚率が高い理由は、このカップル単位の行動が息苦しいから、というのもその一つなのではないかと思うくらいです。

先日留学時代の友人と五人で集まりました。○○会と名前までついているその集いが、数年ぶりにすごく楽しくて幸せに感じられたのには、理由がありました。それはメンバーの一人が奥さんを連れてこなかったから。 そのメンバーをAとしましょう。
Aが一時帰国する度に○○会で集まっていたのですが、Aは日本人だけど奥さんがアメリカ人なので、例のごとくカップル単位で行動をしますから、結婚後は○○会にも毎回奥さんを連れてくるようになりました。

男友達が奥さんを連れてくるようになって、会話の濃度が下がった

ところがその奥さんがいると、皆奥さんに気を使って話すので、話題をなるべく彼女に振るようにするわけです。
そうすると久しぶりに集まった意味があまりないんですね。お互いの顔を見ることができるのは嬉しいんだけど、なるべくその奥さんも入ってこれる話題を選び、しかも英語で話しますから、もう○○会が終わったあとはぐったりですよ。同じことを日本語やっても疲れるのに。
私達がつい日本語でばーっと話し始めるとむくれるし。そして私達は彼女のご機嫌取りをさせられるというわけです(夫がやれ)。
Aは私達にも自分達のパートナーを連れてくるようにすすめますが、皆これ以上会が大きくなって収拾がつかなくなることを望んでいないため、誰も連れてきません。

Aのソロ活動復活!!!再び○○会が楽しい会になった

ところがA夫妻に子供ができてからは、奥さんが日本出張に同行しなくなったため、彼は晴れてソロ活動ができるようになったのです。そしてついに楽しい○○会が復活!久々にその集いを楽しむことができたし、改めていいなあって思ったんですよ。

軸は夫婦。それはわかる。だからといって友達を切り捨てることはできない

バブル時代の寵児として名を馳せた故安井かずみ氏は、二回目の結婚をしてからは、とにかく夫婦単位でしか行動しなくなりました。彼女の美学やエスプリをわかりあい、共有・体現してくれる最高のパートナーを見つけたのですから、そりゃ夫婦単位で常に行動したくなるのはあたりまえというものでしょう。
彼女の人生が夫の故加藤和彦氏を中心をまわりだしたから、夫婦同士でつきあえる友達だけが彼女の周りに残り、多くの人が彼女の周りを去っていきました。
夫婦同士でつきあうと世界が広がる。楽しみも二倍になる。そういう風に前向きに考えられる人もいるのでしょうが、私は小さくて心地のよい、濃厚だった世界が無理に大きくされて味が薄くなるのは嫌です。
たとえ夫婦でも、気を使って足を踏み入れない領域=お互いが知らない世界があってもいいじゃないですか。「本当に愛し合っていたらすべてを共有したいと思うのは当然のこと」と言える貴女、友達が離れていきますよ。

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