空気を変える人達、創り出す人達



透明感を擬人化したら、まさに彼女になるだろう。そんな女性にお会いしたことがあります。
彼女が暮らすマンションに招かれたのですが、マンションの最寄り駅で彼女を待っていたらごめーんという声とともに自転車に乗って彼女が現れました。その時の彼女を見て、大げさに書いているのではなく、透明感が自転車に乗ってやってきたと思いました。浮世離れしているんですね。都心にいるはずなのに、彼女の周りだけ時の流れの方向、早さとか、周波数が違う感じがしたんですよ。

彼女のお母様がやっていらっしゃるレストランです。
マクシミリアン  (レストラン一軒を貸しきっておもてなし!)

私もいつか使ってみたいと思っています。夫はこういうのが好きではないので、やっぱり連れて行くとしたら両親や兄弟かなあ。兄弟と今まで話せなかったことを水入らずでゆっくり話すのにいいかなぁと思うんだけど、兄弟はこういうところじゃなくて、やきとり屋でちびちび飲みながら語りたいタイプなのでだめだな。
そして空気に色や香りをつける人がもう一人いるのですが、名前も知らない男性。40代だと思うのですが、中年男性とは書けない。その四文字が似合わないんですよ。私が歩いていたら、彼がセブンからあのひきたてのコーヒーを手に持って、スケボーに乗ってさ~っと自分の自宅兼店舗に帰っていったのですが、なんだかその姿があまりにも芸術的で、足を止めて見とれてしまいました。
多分自分でも「俺ってちょっとかっこいいよな。今、風と一体化してるよ」って思っているはずなんですよ。だけどそう思っていてもしょうがないほど、素敵でした。その時香った「素敵」は、一朝一夕ではどうにもならない、彼が積み重ねてきたものに違いないのです。

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photo by khalid almasoud


去年の夏に彼を見かけた時は、夕方になって一仕事終えて店の外に出ていたところらしく、向かいにある居酒屋のオーナーと一緒にそのお店のビールをジョッキで飲んでいたんですね。その時のお二人の姿を見て、なんて美しい夕暮れなのだろうと思いました。私もその後帰宅して、たまらなくなってすぐにビールを飲みました。グラス冷やしとけばよかったなーって思いながら。 で、何が言いたいかというと、空気を変える人、創り出す人は、手でばたばた扇いで無理やりその流れを変えたり創ったりしない。黙ってそこにいるだけで十分なのです。


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