マリア様はお見通し

普段は何も見えていないふりをしながら、善人面して静かに暮らしています

乗りたいな、と思ったらなくなっていた思い出の特急


あれは忘れもしない中学三年生の冬のことです。
母と二人で大阪・京都の旅に出ることになりました。私は当然新幹線の旅になるとばかり思っていたのですが、出発当日の朝、父は新幹線の駅ではなく、在来線しか停まらない最寄りの駅に私達二人を降ろしました。え?何?どういうこと?

「せっかくだから特急を乗り継いで行きましょう。冬の日本海を眺めてのんびりとね。駅弁だって日本海側の方が美味しいんだから」

ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!!中学生の私は、明るい太平洋側を走る新幹線に乗りたかったのです。旅行の時くらいは、灰色の空も海も、見たくなかったのです。
夏の日本海は好きだけど、冬は勘弁してほしかったんですよ。とにかく太陽が恋しかった。厳しい冬から離れられるはずの束の間の幸せな旅の始まりはこんな感じでした。

http://www.flickr.com/photos/42944774@N02/8561068967

photo by かがみ~


特急の車窓の外に見えるのは、荒波の日本海です。そして特急が通過していく駅名を、動体視力の悪い私が目を凝らしてみていると、なぜか見覚えのある駅名ばかりでした。
それもそのはずです。その路線は、私と弟が幼い頃、夏になると母が私達を水族館に連れて行ってくれた時に乗った路線だからです。
思い出づくりにと、水族館に行くついでにその路線のスタンプラリーに弟と私を参加させてくれた母。車で行けば楽なところを、うるさいガキを二人連れて電車に長時間乗るのは、さぞ疲れたと思います。一人でふらっと途中下車して、身軽になりたいなぁと何度も思ったことでしょう。

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あの水族館に行かなくなってもう何年経つだろうなどと考えていたら、日本海側を特急で旅するのも悪くないなぁなどと思えてきました。だけどやはり冬の日本海は暗く、寂しいのです。見ていて気が滅入りましたが、そういうところで生活をしている人がいるのだと思うと、すごいなぁと思ったのです。親不知とか見てるとね、糸魚川市(いといがわ市、と読みます)が住民税をただにしても転入しないだろうなって思ってしまうんですよ。
そしてやっと大阪に到着すると、空の明るさに感動しました。こんな世界もあるのかぁ、と。自分と同じくらいの年代の子達がすごく垢抜けて見えて、そして彼らの着ている服の色使いのけばけばしさは、日本海とそれを覆う空の暗さに慣れ切っていた私の目にはとても眩しく写りました。ピンクにしてみても、甘さや優しさではなく、どぎつさが好まれる感じですね。

久しぶりにこの思い出の特急乗りたいなぁと母に話したら「あら、もう走ってないわよ」と言われてしまいました。


ラストランの車内放送を聞いて寂しくなりましたが、YouTubeのありがたみを実感しています。アップロードしてくださった方、ありがとうございます。雷鳥、そして長田車掌、お疲れ様でした。

電車の旅といえば、このブログ→ デンシャと、京都と  (山陰本線完全制覇の旅、私もいつかはしてみるぞ!)

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