秋が深まる頃につけたいリップ 2018(2)

シリーズ第二弾です。
シリーズ(1)でご紹介した商品を購入した後に出会ってしまった素晴らしいカラー二色をご紹介します。結婚した直後にものすごいいい男と出会ってしまって「早まったか!」と思うのってこんな感じなんですかね。

私が惹かれたのは秋の味覚の香りや味が漂ってきそうな、ナチュラルな色。例えばこのブラウン。

シュウウエムラ

ルージュ アンリミテッド シュプリーム マット BR #781

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(画像は同ブランドの公式ウェブサイトからお借りしました)

 
色がなのです。
日本の秋っていうの?「小さい秋見つけた」が聴こえてきそう。つけてみた感触は商品名の通りマットですが、乾きません。それからこんな点もおすすめです。

  • 着る洋服を選ばない
  • ドラマチックになりすぎず、フェミニンな優しさが漂う

シリーズ(1)で紹介した今シーズン売り切れ店続出のNARS パワーマットリップピグメント#2760も魅力的なブラウンですが、どんなに素敵な色でもあれくらい存在感が大きいと「いかにも塗ってます」というリップメイクが苦手な人は手が出しにくいブラウンですよね。インパクトの大きなリップカラーは似合う洋服も限られてきますが、このシュウウエムラのブラウンは着る洋服を選ばず、しかもとっても優しくてフェミニンなブラウンなんですよ。オフィスにつけていっても浮かないブラウンです。

続いて二品目。


NARS
リップスティック/シアー #1084 メタリックラズベリー

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(画像は同ブランドの公式サイトからお借りしました)

 
これはスティックのカラーの通りの発色で、本当にラズベリーのように可愛い色なんですよ。でも落ち着いていて大人っぽく、これを塗ると顔が華やかになる感じ。
以前はこういう色を見ると昔のヤンキーみたいになったら嫌だなと思い手が出ませんでしたが、これは白塗りにパープル!という昭和のヤンキーにはなりません。ただただシンプルにラズベリー色に上品なメタリックの煌めきを足しただけ。晩秋になったら買いに行く予定です。

 
関連記事:秋が深まる頃につけたいリップ 2018(1) - マリア様はお見通し

秋が深まる頃につけたいリップ 2018(1)

8月が昨日で終わりました。気持ちはもう既に秋に向かっています。
ツイッターを見ていても秋にぴったりの素敵な色のリップに関連したツイートがたくさん見られ、我慢できなくなってデパートに行ってきました。前回リップ関連商品を買ったのは6月の半ばだったから、もうそろそろ買いに行ってもよいでしょう。
商品個別の画像は撮影次第追加していきますので、まずはざっと感想から書いていきますね。今回買ったものは:

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  1. (左側から)CHANEL ルージュアリュールヴェルヴェット#62
  2. NARS パワーマットリップピグメント #2760 ソフトブラウンピンク
  3. NARS パワーマットリップピグメント #2761 ライラックピンク
  4. シュウウエムラ ラック シュプリア WN05

1.CHANEL ルージュ アリュール ヴェルヴェット #62


これは石原さとみが塗ってはいけない色第一位です。あの唇につけたら武器どころか凶器になる!せーけさんのチョイスに間違えはなかった!!!スティックをちょっと出して色をみた時はくすんだピンクベージュかなと思いましたが、つけてみると思ったよりも赤みが出て発色がとにかく美しく、マットなリップスティックです。マットだけど乾かない逸品。

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男の人ってすっぴん、あるいは薄いメイクが好きですよね(とにかく素顔が想像できるレベルのメイク)。だからグラビアアイドルや女優にはだいたいすっぴんに見える精巧なメイクが施されていますが、そういうメイクに使われる色って、実はこの#62なんじゃないかなと思ったくらいです。これは別に秋を感じさせる色でもなんでもなく、通年使えるしリピートします。

2.誰もがブラウンに盲目になっている間につけたいダークピンク系  NARS パワーマットリップピグメント #2761

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もともと#2760が目当てで行ったNARSでしたが、隣にあった#2761も素敵な色だったので、アプリケーターをボトルから出したのがもう間違えだったんですよね。色を見たら試さずにはいられなくなり、試したらあまりの美しさに買いたくなり・・・。
【塗り方に注意】唇にしっかりつけると、昔の女子プロレスラーのヒール役みたいな色になってしまいます!まずは縁取りしてから、縁から内側に向かってぼかしていくようにつけると、綺麗なダークピンクになります。

よくあるくすみピンクかと思ったらもっと落ち着いた色で、顔がぐっと女らしくなる。ピンクでもローズでもパープルでもモーヴでもない。深い色。仕上がりはその名の通りマットで、落ちにくいティントです。
よってデイリーには向かない色ですが、これは10月半ばあたりまで温存したい色ですね。秋が深まっていくあの空気感の中で使いたい色。9月に使うのはもったいない。ああ、10月半ばまでこらえることができるかしら。
あまり濃厚な女らしさではなく、いつもより少しだけ落ち着いた雰囲気を出したいなら#2764ローズブラウンがよいと思います。

3.ストイックにブラウンを追及した結果みたいな色  NARS パワーマットリップピグメント #2760


横浜高島屋で在庫切れ→ルミネのISETAN Mirrorでも在庫切れ→そごう横浜店でやっと手に入りました。しっかりつけるか、指でぽんぽんとつけるかによってだいぶ雰囲気は変わりますが、モンブランのように甘いんだけど、甘すぎないウォームブラウン。

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マットで落ちにくい!単独で使っても可愛いし、シンプルな装いの日はブラウンのグロスを中央にちょっと重ねて色っぽくしてもいい。おすすめのブラウンのグロス:マキアージュ エッセンスジェルルージュ BR#636

マットだから多少の乾燥は覚悟していましたがやはり気になるため、メイク直しの際に#2760を上から塗り足さず、クリーミーなテクスチャのSUQQUのエクストラグロウ リップスティック #15 宵滲を塗るととってもフェミニンな色になります♪

4.葡萄酒色・・・・?こんな色初めて!!!!シュウウエムラ ラック シュプリア WN05

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この薄暗い画像では伝わらないのが残念!というくらい独特の色と質感です。グロスなのに内側から滲むような発色をします。色のカテゴリーをWN=ワインと名付けただけあって、こだわりを感じる色でした。もう即決で購入しました。本当に葡萄を足で踏む作業をしているとどんどん出てくる果汁で作ったグロスみたい。画像だとパープルに見えますが、パープルだったら赤寄りか青寄りかで大きく分かれるけど、この色には赤も青も含まれていない。ピュアな葡萄酒色。
グロスもリップスティックも、どうしても人工的な色になりがちですが、この色はオーガニックなところもよいなと思いました。軽井沢中の土産屋でバカの一つ覚えのように販売されているブルーベリージャムみたいな感じ。

光るんだけどうるうる・ぷるぷるという艶ではなく、どちらかというとみずみずしさが感じられる商品です。男に媚びるための艶ではなく、透明感を漂わせる艶。
そしていい香りがします。柚子かな?私のおすすめは断然単独での使用!この色の美しさだけで顔が秋仕様になるのですから。大人びて見えますので老け顔の人にはおすすめしません。

実は購入したもの以外で、もう二つとても素敵な色を見つけたのですが長くなってしまったので次回に続きます。

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ちょっと気持ちが優しくなるチョコレートのアロマ

今年の夏は大好きな喫茶店めぐりも、チェーンのコーヒーショップもあまり行きませんでした。だって家で作るIced ダークチョコレートが美味しすぎるのと、それを作る時のアロマに本当に癒されるんです。

ここから先はそのアイスダークチョコレートの作り方になりますが、読んでいると「こんなに手間をかけるならお店で買った方が安上がりじゃない?」と思われることでしょう。だけど作る時にボウルから立ち上るアロマが、ぎすぎすした心を優しくもみほぐしてくれるので、このステップこそが大切なのです。

以下、量はすべて適量です

1.ボウルにダークチョコレートと黒砂糖を入れて、湯煎にかけます。もうこの時点でキッチンのあたりにほろ苦く、あま~い香りが広がります。ほへぇ~~。

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2.ダークチョコレートが溶けてきたら、インスタントコーヒーを投入。

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先ほどのチョコレートの香りにコーヒーの香りも加わって、とてもよい気分転換になります。

3.ダークチョコレート、砂糖、コーヒーがペースト状になってきたら少しずつ牛乳を投入します。

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 できあがり~。

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見た目はいまいちですが、ホイップクリームをトッピングしてミントを飾ればインスタ映えwするから#ていねいな暮らしとかそういうハッシュタグも使えますしw、何しろ美味しい!これを飲むようになってから、外でコーヒー系飲料を買うことはなくなりましたね。
それから夫が帰宅する30分前くらいにこの作業を終わらせておくと、スウィート&ビターな残り香が彼を出迎えてくれるのでちょうどよいのです。湯煎でゆっくり溶かしながら、ちょっとぼけっとするだけでもセルフセラピー効果大です。


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猪野詩織さんを襲った不幸(2)

1999年10月に埼玉県桶川市で起きたストーカー事件の被害者・猪野詩織さんの最大の不幸は、小松和人と出会ってしまったことです。この男、まともじゃないんだもの。

 

小松の生い立ちが気になるところですが、これは本書にも書かれていなかったため、検索してみました。検索結果から表示してみたページは、全面的に「母親から十分な愛情を受けられなかったゆえの精神病」を盾に小松を擁護するページだったため、不快な気持ちになりブラウザの戻るのボタンをさっさと押して退出しました。

本名 小松和人

以下は「桶川ストーカー殺人事件 遺言」の著者・清水潔さんが、被害者である詩織さんの友人から聞いた話の一部の引用です。その友人達は、ご両親に心配を極力かけたくない詩織さんが「私、殺されるかもしれない」と小松のことを相談できた唯一の仲間でした。

車の運転が乱暴だった。
(中略)
急発進、急停車はしょっちゅう。幅広い国道でわざと蛇行したり、交差点で停まると大きな音で空吹かしする。一緒に車に乗っていて恥ずかしい、と詩織さんは漏らしていた。行動にまるで計画性がなく、ドライブに行けば必ずと言っていいほど行き先が何度も変更された。
(中略)
小松に不信を感じ始めた頃だった。ある日、何気なく車のダッシュボードを開けた詩織さんは、奇妙なものを発見する。そこからは雑多なカード類が出てきたのだが、どのカードの名前の欄も小松誠ではなく、小松和人となっていたのである。

小松誠と名乗っていた男は、小松和人・・・・そう知った時の詩織さんの気持ち、想像できますか?

「なんで私に本名を名乗れないの?私がつきあっているこの男、何者なの?」

本名すら隠す必要があった小松和人の仕事は、本人曰く車のセールスマンで月収一千万以上。だけどその男の実態は池袋に風俗店をいくつか抱えていたオーナーでした。またその兄、小松武史も消防士でありながら、その職業では到底できないレベルの生活を埼玉県で送っており、武史も風俗店の経営に関わっていたことが後から明らかになりました。
風俗といえば、当然バックにはヤクザやチンピラもついていたはずです。小松が詩織さんを恐怖で支配し続けられたのも、これらの力をことあるごとにちらつかせてきたからでしょう。この力の存在におびえながら、詩織さんは小松のいいなりになり続けました。自分や家族、友達に危害が及ばないようにするには、そうするしかなかったから。

詩織さんへの異様な執着

本書を読めば読むほど、小松和人の詩織さんへの執着が異常なものだとわかります。読んでいてぞっとするくらいに。可愛さ余って憎さ百倍どころじゃ済まないのです。おそらく一目惚れだったのでしょう。
独りよがりな愛情表現。だんだん高額になってくる贈り物に詩織さんが怖くなってきて、受け取れないと断った途端に豹変した人格。「俺がこんなに愛しているっていうのにわからないのか?!」と激高するのは、小松和人の異様さの片鱗でしかありませんでした。
怖がる詩織さんを見て楽しんでいるのではなく、詩織さんを逃さないためにはそれしか思いつかない小松の稚拙さ。詩織さんやご家族を中傷するビラをばらまいたのも、自分の愛を受け止めてくれない詩織さんへの怒りからくるものです。辱めて追い詰めて、制裁をくわえる。自分から逃れようとするとどうなるか身をもって知らせる。そういう風にしか自分の気持ちが表現できない。「詩織は俺とずっと一緒」
本書を読み進めていくと、小松には精神、あるいは脳に障害があったのだろうという思いが強くなります。例えばこの男が書いたあて名のない遺書にはこう書かれていました。

「天国には行けない・・・・」

おまえみたいなやつが天国に行こうと思っていたことがすごいなぁと思うんだけど、小松はきっと天国で詩織さんに会いたいと思っていたことでしょう。そういう男なんですよ。狂っているから。
こんな狂っている男に一目惚れされてしまった詩織さんは、不幸だと改めて思いました。
あなたも気をつけて。小松のような男は、きっと一見いい人だから。

メディアの印象操作

詩織さんは警察に見殺しにされ、小松が雇った人間に殺され、そしてメディアによってもう一度殺されました。事件が起こった当初、詩織さんを冒涜するようなニュースばかりでした。
厚底ブーツ、プラダのリュック、グッチの時計、黒いミニスカート。
ここまで被害者の外見に関して細かく報道されたのはどうしてだったのでしょうか?
「ブランド狂いの女の子が男に散々貢がせたあげくがこの結果」「警察の対応に問題はなかった」という印象を世間に与えたかったからでしょう。それは成功しました。ご遺族は深く傷つかれました。
だけど「桶川ストーカー殺人事件 遺言」の著者・清水潔さんの執念深い取材のもと、事件の真相と警察の腐敗が明らかになり、上尾警察署は記者会見を行うことになったのです。

youtu.be

人が死んでいるというのにこんなにへらへら応答する人間は、小松同様真冬の屈斜路湖に落ちて死んでもバカは治らないでしょうね。
死人に口なし。しつこいストーキングのあげく殺されたうえ、己の名誉を守ることしか頭になかった警察と、そして警察から提供された情報だけを発信したメディアに尊厳を踏みにじられた詩織さん。メディアによって「遊んでいた派手な女子大生」のイメージが受け付けられた女の子は、どこにでもいる普通の女の子でした。
それがよくわかるこの一冊は、詩織さんのお父様が「時には苦しくて数行しか読めない日もあった」そうです。

 
桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)

猪野詩織さんを襲った不幸(1) - マリア様はお見通し

猪野詩織さんを襲った不幸(1)

1999年10月に起こったストーカー殺人事件に関するこの本を読み終わって感じたことを書きます。
被害者のご遺族には申し訳ないのですが、正直に言うと、もしも娘さんを持つ人が読んだら「この災難はうちの娘にもふりかかるかもしれないし、今のところふりかかっていなくてよかった」と思ったとしてもしかたがありません。だけど明日は我が身。狂人との出会いを遠ざける方法なんてありません。うちの子は大丈夫、なんて思わない方がいい。なぜなら本当に怖い狂人は、「狂人です」と書かれた看板など出していないのですから。善人面して近づいてきますよ。

 

詩織さんを襲った不幸

著者の清水潔さんは、取材を通じて警察がもみ消そうとした事件の真相を知り、詩織さんを襲った二つの不幸についてこうおっしゃっています。
一つ目の不幸は、上尾警察署の管轄に住んでいたこと。自分を狙うストーカー達に詩織さん、そして彼女のご家族が追い詰められていく様子は恐ろしいし、その恐ろしさを伝えて告訴に踏み切ろうとした猪野家を「捜査するとなると面倒だから」という理由で追い返した上尾署。
二つ目は、狂人小松和人に出会ってしまったこと。ただでさえ頭がおかしそうなのに、詩織さんに執着していくあまりどんどん狂気がエスカレートしていくように思いました。詩織さんが逃げようとすればするほど、彼女を恐怖で支配しようとするのです。
あの日あの時、大宮駅東口のゲームセンターにいなければ・・・そう思っても、もう時計の針は戻せなくなっていた。そして殺された。
大きく分けると確かに以上に二つなのですが、これ以外に私が本書を読んで感じた詩織さんを襲った不幸があります。一つ目は友達に売られてしまったこと。
詩織さんが小松に嫌われようとして、似合いもしないアフロにしてしまった時、髪型を変えた理由は、その友達を通じて小松にばれてしまったのです。詩織さんが逃げようとすれば、さらなる恐怖で追い込んでくる小松。この友達は、もちろん小松から報酬を受け取ってしました。詩織さんの死には直接因果関係はないとはいえ、この女友達は今頃どこでどんな風に生きているのだろうと思います。自分がしてしまったことを背負って生きているのか、あるいはのうのうと幸せに暮らしているのか・・・今は幸せでも、カルマは巡ってきますからね。カルマからは逃げられない。
二つ目はご両親に迷惑をかけたくなかったばかりに、相談するのが遅すぎたこと。
「こんな男とつきあっていることがばれたら絶対に親を悲しませてしまう」
詩織さんのその優しい気持ちがいっそう状況を悪化させていきました。

「集団ストーカー」は妄想で使ってはいけない言葉である

詩織さんに執着しすぎて狂ってしまった男とその兄弟、部下達のストーキングにおびえ続け、そして最後には殺されてしまった詩織さん。これが本当の集団ストーカーなのです。
私は過去に一度、自称集団ストーカー被害者にウェブ上で絡まれたことがあります。その人のツイートを見てみたら、人種差別的なツイートが多かったため「とんでもない狂人に遭遇してしまったな」と思いました。
彼女のように集団ストーカー被害者を自称する人達は大勢いて、彼らが「咳ばらいをされた。自分に向かって菌を飛ばしている!」「歯茎が痛む・・・・電磁波攻撃だ!」「宅配業者がドアを大きな音でしめて威嚇している!(彼らはこれをドアバンと呼ぶ)」という被害妄想とは比べ物にならない恐怖を、被害者である猪野詩織さんは感じていたのです。


ご遺族の心をメッタ刺しにしたメディアの印象操作・報道、小松の狂人ぶりについては(2)で書きます。


桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)